.ca

.caドメインについて

`.ca` は、カナダに割り当てられている国別トップレベルドメイン（ccTLD）です。カナダのインターネット空間において重要な役割を果たしています。

登録要件

`.ca` ドメインを登録するには、レジストラが定める以下の要件を満たす必要があります。

カナダ国籍を持つ成人
カナダの永住者
カナダに登記された法人
カナダの先住民（イヌイット、ファースト・ネーション、メティなど）
インディアン法に定められた先住民の一団
カナダに登録商標を持つ外国籍の法人または個人
執行者、管理者、その他の法的代理人で上記要件を満たす者
政府機関
イギリス連邦の元首

登録者は、セカンドレベルドメイン（例：`example.ca`）に直接登録するか、地域型ドメイン（例：`example.on.ca`）の下に登録するかを選択できます。`.ca` ドメインの登録は、レジストラを通じて行われます。

歴史

1988年、`.ca` ドメインはジョン・ポステル氏（当時IANAオペレータ）によってブリティッシュコロンビア大学（UBC）に割り当てられました。

1997年、カナダのインターネットコミュニティは「インターネット年次カンファレンス」で、登録手続きの自由化と登録期間の短縮を目指すレジストリ改革を決定しました。その結果、2000年12月1日に `.ca` の運営管理権限は、ブリティッシュコロンビア大学から非営利組織であるCanadian Internet Registration Authority（CIRA、カナダインターネット登録監督局）に移管されました。

セカンドレベルドメイン

ブリティッシュコロンビア大学が管理していた時代には、同一地区で活動する団体には「city.toronto.on.ca」のような第4レベルドメイン、同一行政区内で活動する団体には第3レベルドメインが割り当てられていました。地方の有限責任会社は「.mb.ca」のような第3レベルドメインしか登録できず、連邦政府の有限責任会社は「.ca」下の第2レベルドメインを使用できました。つまり、直接 `.ca` に登録できたのは、複数の行政区にまたがる団体のみでした。このような厳しい規制のため、多くのカナダの団体は、`.ca` よりも登録料が高い `.com` や `.org`、`.net` を利用していました。

現在では、どのレジストラもドメインを直接 `.ca` の下に登録できます。以下のサブドメインは、主にCIRA管轄に移る以前に使われ、`.ca` ドメインの歴史的な遺物として残っています。

`.ab.ca` — アルバータ州
`.bc.ca` — ブリティッシュコロンビア州
`.mb.ca` — マニトバ州
`.nb.ca` — ニューブランズウィック州
`.nf.ca` — ニューファンドランド・ラブラドール州（登録受付終了、`.nl.ca` へ移行）
`.nl.ca` — ニューファンドランド・ラブラドール州
`.ns.ca` — ノバスコシア州
`.nt.ca` — ノースウェスト準州
`.nu.ca` — ヌナブト準州
`.on.ca` — オンタリオ州
`.pe.ca` — プリンスエドワードアイランド州
`.qc.ca` — ケベック州
`.sk.ca` — サスカチュワン州
`.yk.ca` — ユーコン準州

注意: 一般に「`.gc.ca`」（セカンドレベルドメイン）はCIRAが政府機関に割り当てた地域型ドメインと認識されていますが、これは誤りです。CIRAは `.gc.ca` 配下の登録に関与しておらず、このドメインは `.ca` ドメイン配下の他の登録ドメインと区別されていません。「`.mil.ca`」も同様です。

名前に関する規制

以下のドメイン名は登録できません。

`xn--` で始まるドメイン（国際化ドメイン用）
トップレベルドメインに存在するドメイン（例：`com.ca`、`ca.ca`）
特定の卑語
カナダ国内の地名

興味深いことに、第2・第3レベルのドメインには上記に該当する名前の予約があり、既に登録済みの団体は返上せずに保持できます（例：セントローレンス大学（オンタリオ州）の `sl.on.ca`）。また、2文字のドメイン名もわずかに存在し、既存の国名コードのトップレベルドメインと一致するものは少ないです。

登録しようとする名前が既に他の `.ca` に存在する場合、または行政区や準州で使用中の場合、その名前の登録は制限されます。登録を実現するには、レジストラの仲介を通じて手続きを行い、CIRA経由でその名前を登録済みのすべての登録者から委譲の同意を得る必要があります。

たとえば、ニューブランズウィック州が `gouv.nb.ca` というドメイン名を登録しようとすると、CIRAの自動化されたWHOISと登録ツールはエラーを返します。ケベック州、オンタリオ州、プリンスエドワードアイランド州がすでに政府サイトとしてフランス語版用に `.gouv` を保持しているため、正規の登録手続きではこのドメインの取得はできません。

期限切れの `.ca` ドメイン

期限切れで一時停止されたドメイン名は、30日間の猶予期間経過後、TBR（to-be-released）ステータスとなります。期限切れのドメイン名は、毎週行われるオークションで再利用されます。オークションに出品されるドメイン名はオンラインで告知され、入札がない場合は、通常のドメインと同様に先着順で所有者が決定します。

まとめ

`.ca` ドメインは、カナダのインターネット空間において重要な存在です。登録要件や歴史、サブドメイン、名前に関する規制、期限切れドメインの扱いなど、さまざまな側面を理解することで、`.ca` ドメインをより有効に活用できるでしょう。

参考情報

IANA Delegation Record for .CA
CIRA - The Canadian Internet Registration Authority
List of .ca certified registrars
* Kelly Sinoski, Vancouver Sun: Creator of .ca celebrates 20 years on Web

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