1719年ジャコバイト蜂起

1719年 ジャコバイト蜂起：スペインの支援とスコットランドの反乱

1719年ジャコバイト蜂起は、スペイン王国の支援を受けたスコットランドで発生した反乱です。この蜂起は、ジェームズ・フランシス・エドワード・ステュアートをグレートブリテン王に復位させることを目指した、より大規模な計画の一部でした。しかし、イングランドでの蜂起が失敗に終わったため、スコットランドのみで反乱が勃発しました。この反乱は、いくつかの小規模な戦闘を経て、グレン・シールの戦いで事実上終結しました。

背景

1713年のユトレヒト条約により、スペインはサルデーニャ島とシチリア島をそれぞれオーストリアとサヴォイアに割譲することを余儀なくされました。これらの領土の奪回は、スペインの政治家ジュリオ・アルベローニ枢機卿の主要な目標でした。オーストリアとサヴォイアは強力な海軍を持っておらず、イギリス海軍に依存していました。したがって、スペインがイタリアの領土を取り戻すためには、イギリスが協力をやめるか、協力できない状況に陥る必要がありました。

イギリスの伝統的な同盟国であったフランスは、当時平和を必要としており、1716年の英仏条約でステュアート家への支持を公式に取りやめました。これにより、1715年のジャコバイト蜂起がイングランドとスコットランドの両方で一定の支持を得ていたにもかかわらず、ジョージ1世の王位継承は円滑に進みました。

1717年、アルベローニは軍を派遣してサルデーニャを再占領しました。この時は抵抗を受けませんでしたが、1718年にシチリア島に上陸すると、イギリス、フランス、オランダ、オーストリアはユトレヒト条約を施行するための四国同盟を結成しました。1718年8月11日、イギリス海軍はパッサロ岬の海戦でスペイン艦隊を壊滅させましたが、四国同盟戦争は12月まで正式には開戦しませんでした。オランダは1719年6月に宣戦布告しました。

アルベローニは、ジャコバイトによる侵攻をイギリスの資源を地中海から引き離す手段と見なしました。彼の計画では、オーモンド公爵率いるスペイン軍7千がイングランド南西部に上陸し、ロンドンに進軍してジェームズ・フランシス・エドワード・ステュアートを復位させる予定でした。オーモンド公はスウェーデンとロシアの間の大北方戦争を終わらせるために仲介したことで、スウェーデン王カール12世と親交がありました。二人は、第10代マーシャル伯爵ジョージ・キース率いるスコットランドでの蜂起を計画に加え、インヴァネスを占領することを目指しました。この蜂起により、スウェーデンの遠征軍が出発する時間が与えられる予定でした。

蜂起の経過

オーモンド公がア・コルーニャで待機する一方、侵攻艦隊はカディスに集結し、ジェームズも合流しました。侵攻軍は2月初めに出発する予定でしたが、遅延が生じたため、イギリスは海軍を配備し、フランスからの情報に基づいて上陸地点に増援を派遣しました。オーモンド公はアルベローニに次々と手紙を送り、その内容は次第に悲観的になり、計画はもはや実行不可能であると述べるほどでした。艦隊は3月末にようやく兵士5千人を載せてカディスからア・コルーニャへの移動を開始しましたが、3月29日から2日間、フィニステレ岬で嵐に遭遇し、侵攻は中止されました。

歴史家の中には、アルベローニがこの侵攻計画をどれほど真剣に考えていたのか疑問視する者もいます。アルベローニは水陸両面からの侵攻作戦の経験があり、パッサロ岬の海戦はイギリス海軍が劣勢下で発揮する力を示していました。そのため、彼はスペイン艦隊が大軍を上陸させるどころか、イングランドに到着する可能性すら低いと考えていた可能性があります。しかし、侵攻の可能性があるというだけでイギリス海軍は警戒せざるを得ず、スペイン艦隊にとってもリスクは低いものでした。その結果、アルベローニはオーモンド公の遅延に関する考えを共有せず、侵攻に利用できる艦隊をア・コルーニャから出発させませんでした。

カール12世が1718年11月に死去したことで、スウェーデンの参戦は終わり、スコットランドでの上陸の目的もなくなりました。しかし、キースとスペイン兵士300人はフリゲート2隻に乗って1719年3月8日にパサヘスを出発しました。彼はルイス島のストーノーウェイに到着し、そこでフランスから帰還した亡命者たちと合流しました。この亡命者の中には、マッケンジー氏族の族長であるシーフォース卿、タリバーディン伯爵ウィリアム・マレー、ジェームズ・キース、ジョージ・マレー、ジョン・キャメロン・オブ・ロキールなどがいました。

タリバーディン伯爵はオーモンド公からの知らせを待つことを主張しましたが、ジョージ・キースはインヴァネスの駐留軍に気づかれる前に同地を占領すべきだと考えました。キースの主張が通り、ジャコバイト軍は4月13日にマッケンジー領のロック・アルシュに上陸し、アイリーン・ドナンで基地を設立しましたが、そこでオーモンド公の出兵失敗を知りました。タリバーディン伯爵は委任状を提示し、自身がジャコバイト陸軍の指揮官に任命されたことを証明しました。彼は撤退を主張しましたが、キースはフリゲート2隻にスペインに戻るよう命じて撤退を防ぎました。

ジャコバイトの軍勢は、マッケンジー氏族400人、キャメロン氏族150人、スペイン兵やロバート・ロイ・マグレガー率いる小部隊などで構成され、総勢1,000人でした。武器の数が人数を上回ったため、余った武器はスペイン兵士40人が守るアイリーン・ドナンに貯められ、残りはインヴァネスへの進軍を準備しました。

アイリーン・ドナン城の占領

ストーノーウェイ上陸の知らせが届くと、イギリス海軍の艦船5隻が5月初めにスコットランド一帯に到着しました。キースの命令でスペインのフリゲートが出発した後であることを知らなかったため、イギリス軍は戦力に自信を持っていました。艦隊は、50門4等艦アシスタンス、ウスター、ダートマス、エンタープライズ、そして24門スループのフランバラで構成されていました。

アシスタンスとダートマスがスカイ島沖を巡航する一方、ウスター、エンタープライズ、フランバラは5月10日の早朝にロック・デュイックの北側、アイリーン・ドナン沖に錨を下ろしました。その夜、イギリス軍は激しい砲撃を掩護に上陸して城を占領し、捕虜はフランバラに乗せられてエディンバラまで連行されました。ウスターの艦長ボイルの記録によると、捕虜は「アイルランドの大尉1人、スペインの軍曹1人、スペイン兵39人、スコットランドの反乱者1人」でした。

これを知ったジャコバイト本軍は内陸に進軍しました。ジャコバイト軍にはすでに選択肢がほとんど残されておらず、海路からの脱出は不可能であり、ジョセフ・ワイトマン率いる政府軍がインヴァネスから迫っていました。アイリーン・ドナンでは、イギリス軍が城を破壊した後も2週間滞在し、反乱軍を捜索しつつ、近隣のストロムフェリーとラッセイ島を略奪しました。

グレン・シールの戦い

6月5日、ジョセフ・ワイトマン将軍は約1千人とクーホルン臼砲4門を率いてインヴァネスからグレン・シールへの進軍を開始し、9日にはロック・クルアニー、ジャコバイト軍の野営地から8マイル以内の地点に到着しました。

タリバーディン伯爵は五姉妹山の近くに強固な陣地を構築し、中央部にスペイン兵を配置し、両翼は塹壕やバリケードの後ろにハイランダーを配置しました。ワイトマンの軍勢は6月10日の午後4時頃に到着し、1時間後にジャコバイト軍の両翼への砲撃を開始しました。砲撃による死傷者は少なかったものの、スコットランド兵は臼砲による砲撃を経験したことがなく、ワイトマンの歩兵が山を登ってジャコバイト軍の戦列に到達することを許してしまいました。政府軍の歩兵は擲弾でジャコバイト軍を陣地から追い出しました。スペイン軍はなんとか持ちこたえましたが、両翼が敗退したため山上への撤退を余儀なくされました。

戦闘は午後9時まで続きました。いくつかの文献によると、ギョリュウモドキが炎上して煙が立ちこめた上に日没で視界が悪かったため、スコットランド兵は夜に紛れて逃走に成功しました。スペイン兵は翌朝に降伏し、正規軍としてスペイン本国に送還されました。ジョージ・マレー、シーフォース卿、タリバーディン伯は負傷しましたが、逃走に成功しました。

スコットランド軍総指揮官だった初代カーペンター男爵は、ロンドン当局に反乱軍の追撃を進言しましたが、それは非現実的であり、今回の蜂起はジャコバイトの評判を傷つけたため、そのまま逃がす方が良いと考えられました。タリバーディンもこの見解に同意しており、1719年6月16日にマー伯に宛てた手紙で戦闘の顛末を記した上で、「国王の利益を損ない、忠臣を減らす」だけだと述べています。

その後

1719年10月、初代コバム子爵リチャード・テンプル率いる遠征軍は、スペインのビーゴに軍勢6千人を上陸させ、10日間占領して多くの倉庫や装備を破壊した後、抵抗を受けずに撤退しました。近くのサンティアゴ・デ・コンポステーラは、略奪を避けるために4万ポンドを支払いました。1719年の蜂起における最大の軍事行動とも言われるこのビーゴ占領は、イギリスがいつでもスペインの海岸線のどこにでも大軍を上陸させることができることを示すために行われました。アルベローニは罷免され、スペインは1720年にハーグ条約でイタリアの領地を放棄しました。スペインがイタリアの領地を奪回するのは、ポーランド継承戦争中の1734年を待たなければなりませんでした。

カーペンターの反乱軍帰還を許すという進言は正しかったことが証明されました。シーフォースの借地人は、逃亡中でも家賃を払い続け、財産没収委員会は家賃を得ることができませんでした。1721年、政府は家賃支払いを強制しようとしましたが、マッケンジー氏族にグレン・アフリックの戦いとコイル・バーンの戦いで2度も撃退されました。これは、ハイランドが氏族長や相続人の協力を得ずに統治できないことを示しており、シーフォース卿が1726年に帰還したことで、政府はようやくマッケンジー領地の支配を回復することができました。

ジャコバイトから没収した財産の売却は、裁判などで遅延が生じたり、（架空であることも多い）債務で価値が減額されたりしたため、ジャコバイトをそのまま許す方が簡単であることも多くありました。恩赦は後にボリングブルック子爵など亡命して久しい者にも与えられましたが、ジョージ・キースとジェームズ・キースがプロイセン王国所属の軍人になったように、外国で職を得た者もいました。このことが、1745年以降の氏族制度解体と、1715年と1719年の反乱に加担したジョージ・マレーが許されたことへの苦々しい感情の背景となりました。

しかし、ハノーヴァー朝への忠誠の誓いを拒否した聖職者は、新しい法律で差別されました。1690年、聖職者の半分以上がそのような聖職者であり、理論上は職を失っていたはずでしたが、現地のジェントリの保護で職を保っていました。一例としては、1673年にデイヴィオットとダンリッチティーの牧師に任命されたマイケル・フレイザーがいます。彼は1694年に職を解かれ、1715年と1719年の蜂起にも参加しましたが、1726年に死去するまで在職しました。

聖職者の復帰を試みた1711年の便宜的国教徒禁止法案などは、スコットランド教会総会に抵抗されました。そして、1719年以降は寛容が迫害に変わり、多くが従うことを選択しました。それでも拒否した聖職者はジャコバイト支持とみなされ、職を失わないようにするために現地の有力者を味方につけました。1745年の反乱に参加した多くのローランダーとハイランダーは、スコットランド社会のこの階層を出自としていました。

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