1874年の相撲

1874年の相撲界の動向

1874年（明治7年）は、相撲界においてさまざまな出来事があった年です。この年、東京相撲を中心に複数の興行が開催され、また、後の相撲界を担うことになる力士たちが誕生しました。以下に、1874年の相撲界の主な出来事について詳述します。

興行

1874年には、東京を中心に複数の相撲興行が開催されました。

3月場所（東京相撲）：本所回向院にて、3月20日から10日間、晴天続きの中で開催されました。
9月場所（三都合併相撲）：八坂神社北林御免地にて、こちらも晴天に恵まれ、10日間の興行が行われました。この興行は、三都（東京、京都、大阪）の力士が合同で行う形式でした。
10月場所（東京大阪合併相撲）：難波新地にて開催されました。東京と大阪の力士が合同で興行を行う形式でした。
12月場所（東京相撲）：再び本所回向院にて、12月20日から10日間、晴天の中で開催されました。

これらの興行は、当時の相撲の人気を示すとともに、東京相撲と地方相撲の交流を促進する役割を果たしました。特に、三都合併相撲や東京大阪合併相撲は、異なる地域の力士が技を競い合う貴重な機会となりました。

誕生

1874年は、後の相撲界を支えることになる力士たちが誕生した年でもあります。

1月19日 - 常陸山谷右エ門：第19代横綱となる常陸山谷右エ門が誕生しました。入間川部屋から出羽ノ海部屋へと所属を移し、後の相撲界に大きな足跡を残しました。1922年（大正11年）に亡くなっています。
3月25日 - 両國梶之助：最高位小結まで昇進した両國梶之助が誕生しました。出羽ノ海部屋に所属し、その実力と人柄で多くのファンを魅了しました。1949年（昭和24年）に亡くなっています。
10月19日 - 八嶌山平八郎：最高位前頭2枚目まで昇進した八嶌山平八郎が誕生しました。井筒部屋に所属し、その活躍は多くの相撲ファンを魅了しました。1927年（昭和2年）に亡くなっています。

これらの力士たちは、それぞれの時代で相撲界を盛り上げ、後世にその名を残しました。

死去

1874年には、現役中に亡くなる力士もいました。

7月22日 - 最上山辨治：最高位前頭5枚目の力士であった最上山辨治が亡くなりました。若松部屋から秀ノ山部屋へと所属を移し、その実力は高く評価されていましたが、1841年（天保12年）生まれで、この年に現役のままこの世を去りました。

まとめ

1874年は、相撲界にとって、興行面での活況と、未来を担う力士たちの誕生、そして現役力士の死という、さまざまな出来事が交錯した年でした。この年の出来事は、その後の相撲界の発展に大きく影響を与えたと言えるでしょう。


参考文献
* 酒井忠正『日本相撲史 中巻』ベースボール・マガジン社、1964年6月1日。

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