1888年の相撲

1888年の相撲界の動向

1888年は、相撲界にとって大きな変革の年でした。大阪相撲では力士の集団脱走事件が発生し、相撲界が二分されるという前代未聞の事態となりました。また、明治天皇が天覧相撲を観覧されるなど、相撲界にとって重要な出来事が数多くありました。以下に、この年の相撲界の出来事を詳しく解説します。

大阪相撲の分裂

この年の大阪相撲では、力士たちの不満が爆発し、大規模な脱走事件が発生しました。80名もの力士が所属団体を離脱し、「広角組」という新団体を設立したため、大阪相撲は二つに分裂しました。9月には、旧団体（残留組）のみで本場所が開催され、一方の広角組は四国巡業を行いました。この事件は、当時の相撲界の組織運営における問題点を浮き彫りにしました。

天覧相撲の挙行

1月14日、明治天皇が芝公園内の弥生社に行幸され、天覧相撲が挙行されました。天皇が相撲を観覧されることは、相撲界にとって大きな名誉であり、また相撲が国民的な娯楽として定着していく上で重要な出来事でした。

東京相撲の興行

1888年の東京相撲は、両国回向院で1月場所と5月場所の二場所が開催されました。いずれも晴天に恵まれ、それぞれ10日間の興行が行われました。これらの興行は、相撲の人気を維持し、相撲文化の発展に貢献しました。

力士の誕生と死去

1888年には、多くの力士が誕生し、また何人かの力士がこの世を去りました。

誕生した主な力士

1月14日 - 13代木村玉之助（元立行司）
2月23日 - 鉄甲宗五郎（最高位：前頭15枚目格付出）
2月27日 - 寒玉子爲治郎（最高位：前頭9枚目）
3月14日 - 若湊義正（最高位：小結）
4月2日 - 立汐祐治郎（最高位：前頭13枚目）
4月10日 - 藤ノ川雷五郎（最高位：関脇）
4月27日 - 達ノ矢源之助（最高位：前頭2枚目）
9月19日 - 錦洋慶祐（最高位：前頭11枚目）
10月5日 - 土州山役太郎（最高位：前頭筆頭）
12月27日 - 矢筈山登（最高位：小結）


これらの力士たちは、後の相撲界で活躍し、その名を歴史に刻みました。

亡くなった主な力士

3月16日 - 相生芳藏（最高位：前頭8枚目、現役没）
7月22日 - 勝ノ浦与一右エ門（最高位：前頭筆頭、年寄：勝ノ浦）
* 9月9日 - 3代緋縅力弥（最高位：前頭筆頭、現役没、年寄：玉垣）


彼らの死は、相撲界にとって大きな損失であり、その功績は長く語り継がれることでしょう。

まとめ

1888年は、大阪相撲の分裂、天覧相撲の挙行、多くの力士の誕生と死没など、相撲界にとって激動の一年でした。この年の出来事は、相撲の歴史を語る上で欠かせない重要な出来事であり、相撲文化の発展に大きな影響を与えました。

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