1897年の相撲

1897年の相撲界の動向

1897年（明治30年）の相撲界は、激動の年でした。東京相撲では、1月に英照皇太后が崩御されたことを受け、1月場所が30日間も中断するという異例の事態が発生しました。これにより、千秋楽は2月18日までずれ込みました。

一方、大阪相撲では、9月6日に八陣調五郎が横綱（神理教免許）に昇進しました。これは、大阪相撲の歴史において重要な出来事の一つとして記録されています。

本場所

東京相撲

1月場所
場所: 本所回向院
日程: 1月5日より晴天10日間
備考: 英照皇太后崩御のため、30日間中断。千秋楽は2月18日。

5月場所
場所: 本所回向院
日程: 5月10日より晴天10日間

大阪相撲

9月場所
場所: 南地五階南手空地
日程: 9月19日より晴天10日間

誕生

この年は、後の相撲界を担う多くの力士が誕生しました。

1月2日 - 桐ノ花光之助（最高位：十両2枚目）
1月3日 - 朝響信親（最高位：前頭2枚目）
2月18日 - 鹿嶌嵜健太郎（最高位：十両5枚目（大阪関脇））
3月11日 - 常陸嶌朝次郎（最高位：前頭5枚目）
4月20日 - 一ノ濱善之助（最高位：前頭4枚目）
5月14日 - 小金山幸一郎（最高位：十両8枚目）
5月15日 - 太刀光電右エ門（最高位：大関）
5月20日 - 乙女川定吉（最高位：十両6枚目）
7月9日 - 陸奥錦建市（最高位：十両9枚目）
8月5日 - 大嶌佐太郎（最高位：前頭11枚目（大阪大関））
8月27日 - 外ヶ濱弥太郎（最高位：前頭筆頭）
9月30日 - 阿久津川高一郎（最高位：前頭筆頭）
12月8日 - 潮ヶ濱義夫（最高位：前頭11枚目）
12月14日 - 真砂石三郎（最高位：前頭5枚目）
12月18日 - 23代木村庄之助（元・立行司）
12月26日 - 大蛇山酉之助（最高位：前頭筆頭）

死去

この年、相撲界の発展に貢献した人物が亡くなりました。

6月29日 - 眞鶴政吉（最高位：大関（大阪相撲））
8月30日 - 鷲ヶ濱音右エ門（最高位：前頭4枚目、年寄：常盤山）
9月22日 - 15代木村庄之助（立行司）
12月18日 - 8代式守伊之助（立行司）

まとめ

1897年は、相撲界にとって様々な出来事が重なった年でした。皇太后の崩御による場所中断という異例の事態や、大阪相撲での新たな横綱の誕生、そして多くの力士の誕生と、相撲界を支えた人々の死が、この年の相撲界を特徴づけています。この年の出来事は、その後の相撲界の発展に大きな影響を与えたと言えるでしょう。

参考文献

* 酒井忠正『日本相撲史 中巻』ベースボール・マガジン社、1964年6月1日。

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