1972年の日本公開映画

1972年の日本公開映画

「1972年の日本公開映画」は、1972年（昭和47年）の1月1日から12月31日までの期間に、日本国内で商業的に公開された映画作品を一覧形式でまとめたものです。このリストでは、それぞれの作品名の後に、製作国が括弧書きで添えられています。

当時の映画ラインナップ

この一覧からは、1972年に日本のスクリーンを飾った国内外の多様な映画作品をうかがい知ることができます。

日本映画の傾向

日本映画（邦画）の公開作品には、当時人気を博していたシリーズものが多く含まれています。例えば、小池一夫原作による『子連れ狼』シリーズからは、『子連れ狼 子を貸し腕貸しつかまつる』、『子連れ狼 三途の川の乳母車』、『子連れ狼 死に風に向う乳母車』、『子連れ狼 親の心子の心』の4作品が公開されました。また、国民的シリーズである『男はつらいよ』も、『男はつらいよ 柴又慕情』と『男はつらいよ 寅次郎夢枕』の2作が公開されています。時代劇では『座頭市御用旅』や『新座頭市物語 折れた杖』、任侠・ヤクザ映画では『狼やくざ 殺しは俺がやる』や『昭和残侠伝 破れ傘』などが公開されました。アクション作品としては、『女番長ブルース 牝蜂の挑戦』や『混血児リカ』などがリストに挙がっています。

また、当時の特徴的な上映形態として、複数の作品をまとめて公開するプログラム上映があります。東宝チャンピオンまつりや東映まんがまつりがその代表例で、1972年中にも複数回開催されました。これらのプログラムでは、人気テレビシリーズの劇場版や新作アニメ、特撮映画などが上映され、子供たちを中心に楽しまれました。例えば、東宝チャンピオンまつりでは『地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン』や『ミラーマン』などが、東映まんがまつりでは『仮面ライダー対ショッカー』や『ながぐつ三銃士』といった作品が上映されています。その他、『札幌オリンピック』のような記録映画や、『純子引退記念映画 関東緋桜一家』といった特別な作品も公開されました。

海外映画の様相

海外からの映画も、アメリカ合衆国を中心に、フランス、イギリス、イタリアなど多様な国々から日本に紹介されました。特にアメリカ映画の公開作品は多く、『ゴッドファーザー』、『時計じかけのオレンジ』、『フレンチ・コネクション』、『ダーティハリー』といった、後に古典となるような名作がこの年に日本で初めて上映されています。これらの作品は、当時の日本の映画ファンに大きな衝撃を与えました。他にも、『キャバレー』のような話題作や、『パパ/ずれてるゥ!|パパ_ずれてるゥ!』、『ハロルドとモード 少年は虹を渡る』のような個性的な作品も公開されています。

ヨーロッパ映画としては、フランスの『哀しみの終わるとき』、『君に愛の月影を』、イギリスの『マーフィの戦い』、『早春』、イタリアの『死刑台のメロディ』、『バラキ』などが公開されました。また、フランス、イタリア、西ドイツ、スペインなど複数国による合作映画も多く見られ、様々なジャンルやテーマの作品が日本の観客に届けられました。ソビエト連邦の『リア王』やスウェーデンからの『ひとりぼっちの天使』など、公開国は広範に及びます。

1972年の映画文化を知る資料

この1972年の日本公開映画一覧は、アクション、ドラマ、サスペンス、コメディ、時代劇、アニメーション、ドキュメンタリーなど、非常に幅広いジャンルの作品を含んでおり、当時の日本の映画館でどのような作品が上映されていたのかを知るための貴重な手がかりとなります。このリストを通じて、1972年という特定の年の日本の映画公開状況や、当時の観客がどのような映画に触れる機会があったのかを具体的に把握することができます。当時の映画文化や社会状況を研究する上でも、この一覧は重要な史料としての価値を持つと言えるでしょう。

もう一度検索