1973年スペイングランプリ

1973年スペイングランプリ：フィッティパルディが優勝、新レギュレーションと激戦の75周

1973年のF1世界選手権第4戦、スペイングランプリが4月29日、モンジュイック・サーキットで開催されました。このレースは、新レギュレーション導入によるマシンの進化と、激しい優勝争いが特徴的な一戦となりました。

レース前：新レギュレーションとマシンの進化

南アフリカGPから7週間のインターバルの後、ブランズ・ハッチとシルバーストンでは非選手権レースが開催され、それぞれゲシンとスチュワートが優勝を飾りました。

スペインGPでは、燃料タンク容量の制限（250リットル以内）と、ボディサイドへの衝撃吸収構造の義務付けといった重要なレギュレーション変更が実施されました。これにより、マシンの最低重量も550kgから570kgへと引き上げられました。

この変更に対応するため、多くのチームが新車の投入や既存マシンの改良を行いました。ティレルはスチュワートのために006/2を、ロータスは72Eを投入。マクラーレンはM23をレブソンにも供給し、ブラバムはゴードン・マレーが設計した新車BT42を投入しました。フェラーリは312B3を改良投入しましたが、イクスのみでメルツァリオは欠場。マーチは731、BRMはP160E、ウィリアムズはイソ・マールボロ・IRを投入しました。サーティースのみが新車投入を見送りました。また、グラハム・ヒルは自身の新チーム「エンバシー・レーシング」でシャドウDN1をドライブしました。

予選：ピーターソンがポールポジションを獲得

予選では、ロニー・ピーターソンがデニス・ハルムに0.7秒差をつけてポールポジションを獲得しました。2列目にはティレル勢のセベールとスチュワートが並び、3列目にはレブソンとイクスがつけました。フィッティパルディは技術的な問題により7番手スタートとなりました。ヒルは最下位に沈みました。

決勝：フィッティパルディの優勝、ピーターソンのリタイア

決勝レースは、ピーターソンが好スタートを切り、ハルムとスチュワートをリードしました。しかし、レース中盤、ピーターソンはギアボックスのトラブルでリタイア。その後、フィッティパルディがトップに立ち、セベールとの激しいバトルを制し、見事優勝を飾りました。セベールが2位、フォルマーが3位に入り、シャドウにとって初の表彰台となりました。

フィッティパルディの平均速度は157.504 km/h。ファステストラップはピーターソンが記録しました。ピーターソンは56周、フィッティパルディは19周、ラップリーダーを務めました。

このレースで、フォルマーは初表彰台、ピーターソンは初ファステストラップを記録。ロータスはF1通算50勝を達成し、シャドウは初の表彰台を獲得しました。また、フォード・コスワースエンジンは50回目のファステストラップを記録し、BRMは150回目の出走となりました。

まとめ

1973年スペイングランプリは、新レギュレーションと新車の投入、そして激しい優勝争いが特徴的なレースでした。フィッティパルディの優勝、ピーターソンのリタイア、そしてシャドウの躍進など、様々なドラマが展開されました。このレースは、1973年シーズンの激しさ、そしてF1の歴史に新たな1ページを刻む、重要なレースとなったと言えるでしょう。

もう一度検索