1976年イタリアグランプリ

1976年イタリアグランプリ

1976年9月12日、モンツァ・サーキットにて開催された1976年F1世界選手権の第13戦、イタリアグランプリについて詳述します。このレースは多くのドラマと歴史的な瞬間で彩られ、特に注目されたのは、約1ヶ月の休養を経て復帰したニキ・ラウダでした。彼は、ドイツGPでの事故による重傷を乗り越え、再びコースに立つことになりました。

フェラーリは、オランダGPまでブラバムに在籍していたカルロス・ロイテマンをバックアップドライバーとして起用し、ブラバムはロイテマンの後釜にはロルフ・シュトメレンを据えました。また、この年からサーキットのホームストレートには新たにシケイン、バリアンテ・レッテフィーロが設けられるなど、コース改修が行われました。

予選のドラマ

予選は金曜日に雨に見舞われ、午前中のセッションではわずか3台のみがコース入り。その後の午後のセッションでは、全車が2分台のタイムしか出せない状態でしたが、ハンス＝ヨアヒム・スタックがその中で最速タイムをマークしました。

土曜日は天候が一転して晴れ、ジャック・ラフィット（リジェ）が自身初のポールポジションを獲得。続いてジョディー・シェクター（ティレル）が2番手に入る中、復帰戦のラウダは5番手につけました。

しかし、予選中に燃料検査が行われ、マクラーレンのオクタン価が基準をオーバーしていたため、特にジェームス・ハントやヨッヘン・マス、ジョン・ワトソンのタイムが取り消されるという波乱が発生しました。その結果、彼らは一旦予選落ちの危機に立たされたものの、他の出走予定者が出走を取りやめたため、決勝には何とか参加することができました。

予選結果

ハント、マス、ワトソンのタイムは燃料規定違反により失効したため、実質的には他のドライバーにチャンスが広がることとなりました。

決勝レースの展開

決勝ではスタート直後、シェクターがラフィットを抜いて首位に立ち、その後にラフィット、パトリック・デパイユ、ロイテマン、スタック、ピーターソンが続きました。一方、ラウダはスタート時のシフトチェンジに失敗し、一時は12位まで下がってしまいました。しかし、ピーターソンは11周目にシェクターを抜き、トップに躍り出ます。

ラウダはその後も好タイムを記録し、最終的には4位でフィニッシュ。復帰戦で入賞を果たしましたが、レース終了後には彼の顔に巻かれていた包帯が出血で赤く染まっている様子が印象的でした。

ピーターソンはこのレースで堂々の優勝を飾り、1974年イタリアGP以来の勝利を手に入れました。

決勝結果

• - ファステストラップ: ロニー・ピーターソン - 1:41.3（50周目）
• - ラップリーダー: シェクター（1 - 10周）→ピーターソン（11 - 52周）

このレースは、その戦略や出場者のドラマ、さらにはラウダの復帰からも多くのファンに記憶されることとなりました。

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