1979年の相撲

1979年の大相撲

1979年の大相撲は、記録的な出来事が相次ぎ、相撲界に大きな変化をもたらした一年でした。この年、新たな制度やイベントが導入される一方で、多くの力士や関係者がこの世を去り、相撲界に深い影を落としました。

新設されたもの

この年、アラブ首長国連邦友好杯と大分県椎茸農協賞が新設され、相撲界に新たな風が吹き込まれました。これらの新設は、相撲の国際化や地域振興への貢献を目指すものでした。

主な出来事

1月: 入場料が平均16.67%値上げされ、初場所千秋楽には皇太子ご一家が観戦されました。元大関魁傑が引退し、年寄放駒を襲名しました。
2月: 間垣親方（元小結清水川）と湊川親方（元前頭筆頭十勝岩）が相次いで亡くなりました。相撲界にとって大きな損失でした。
3月: 新弟子検査合格者数が111人と史上最多を記録しました。また、公傷取扱規定が一部改定され、土俵上の怪我の定義が明確化されました。大竜川一男は初土俵以来の通算出場回数で史上単独1位となりました。元横綱安藝ノ海が亡くなりました。
4月: 大山部屋の土俵開きが行われ、安治川部屋が独立、朝日山部屋が落成しました。これにより、相撲部屋の勢力図が変動しました。
5月: 夏場所では、高見山が幕内連続出場回数で史上単独1位となりました。昭和天皇が観戦され、元関脇北瀬海と元前頭筆頭大竜川が引退しました。
9月: 新横綱三重ノ海剛司が誕生しました。大関旭國斗雄が引退し、藤島親方が亡くなりました。番付編成要領が一部改正され、行司の人数が増員されました。
11月: 前武蔵川理事長が勲三等瑞宝章を受章しました。九州場所では、十両以上の休場者が一人もおらず、アメリカ公演の実施が決定しました。元前頭7枚目栃勇が引退しました。

北の湖の連勝記録

北の湖敏満は1月から5月にかけて32連勝を記録し、久しぶりに30連勝を超える力士が登場しました。この連勝記録は、北の湖の圧倒的な強さを象徴するものでした。

本場所の結果

一月場所: 北の湖敏満が14勝1敗で優勝。殊勲賞は黒姫山、敢闘賞は長岡と金城、技能賞は富士櫻。
三月場所: 北の湖敏満が15戦全勝で優勝。殊勲賞は黒姫山、敢闘賞は長岡と金城、技能賞は富士櫻。
五月場所: 若乃花幹士が14勝1敗で優勝。敢闘賞は魁輝と巨砲。
七月場所: 輪島大士が14勝1敗で優勝。殊勲賞は栃赤城、敢闘賞は出羽の花。
九月場所: 北の湖敏満が13勝2敗で優勝。殊勲賞は玉ノ富士、敢闘賞は朝汐、技能賞は増位山。
十一月場所: 三重ノ海剛司が14勝1敗で優勝。殊勲賞は栃赤城、敢闘賞は玉ノ富士、技能賞は増位山。

北の湖敏満が年間最多勝（77勝13敗）を獲得しました。

この年に生まれた力士

2月7日 - 剣武輝希（最高位：前頭16枚目）
5月23日 - 豊乃國大地（最高位：十両13枚目）
6月21日 - 豪風旭（最高位：関脇）
8月22日 - 重太郎（十両呼出）
9月6日 - 片山伸次（最高位：前頭13枚目）
9月10日 - 時天空慶晃（最高位：小結）
9月14日 - 太助（十両呼出）

この年に亡くなった力士・関係者

1月1日 - 大ノ濱勝治（最高位：前頭4枚目）
1月20日 - 柏山大五郎（最高位：関脇）
2月5日 - 清水川明於（最高位：小結）
2月12日 - 十勝岩豊（最高位：前頭筆頭）
3月25日 - 安藝ノ海節男（第37代横綱）
3月29日 - 大潮清治郎（最高位：関脇）
8月6日 - 広瀬川惣吉（最高位：前頭3枚目）
9月16日 - 出羽湊秀一（最高位：前頭筆頭）
9月23日 - 荒熊谷五郎（最高位：前頭6枚目（大阪大関））
11月23日 - 金湊仁三郎（最高位：前頭5枚目）
11月30日 - 前ヶ潮春夫（最高位：前頭18枚目）
12月29日 - 竹田繁七（アマ九段、第5代学生横綱）


1979年は、相撲界にとって多くの出来事が凝縮された一年でした。新たなスターの誕生、記録の更新、そして多くの別れがあり、相撲界の歴史に深く刻まれることとなりました。

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