1980年のバレーボール
1980年（昭和55年）は、国内外のバレーボール界において、数々の出来事があった年として記録されています。
この年、まず注目されたのは文化的な側面です。バレーボールを題材にした日ソ合作のフィクション映画『甦れ魔女』が4月に公開されました。この作品は、同年のモスクワオリンピックを背景にしており、バレーボールへの関心を高める一助となりました。
年の後半には、日本のバレーボール界に新たな動きがありました。11月には、現在もV.LEAGUEで活動する日立佐和リヴァーレ（後の日立リヴァーレ）の前身である日立佐和バレーボールチームが創設されました。さらに12月には、現在のPFUブルーキャッツの前身にあたるユーザック電子工業バレーボール部も産声を上げています。
また、12月には日本のバレーボール史に名を刻む出来事がありました。日立バレー部に所属していた中田久美選手が、当時史上最年少となる16歳3ヶ月という若さで日本リーグ（現在のV.LEAGUE）にデビューを飾ったのです。この鮮烈なデビューは大きな注目を集めましたが、彼女が樹立した最年少出場記録は、後に2007年に堀口夏実選手、2009年に宮下遥選手によって更新されています。
障がい者スポーツの分野でも重要な進展がありました。同年開催されたアーネムパラリンピックにおいて、シッティングバレーボールの男子の部が正式種目に採用されたことは、バレーボールというスポーツの可能性を広げ、障がいのあるアスリートたちの活躍の場を増やす上で画期的な一歩となりました。
国際バレーボール連盟（FIVB）には、この年、新たに6つの国・地域が加盟しました。具体的には、アフガニスタン、イギリス領ヴァージン諸島、キプロス、ニカラグア、ネパール、パレスチナです。これにより、世界のバレーボールファミリーはさらに広がりました。
バレーボール界最大のイベントの一つであるオリンピックがこの年に開催されました。モスクワオリンピックのバレーボール競技では、開催国であるソビエト連邦が男女ともに圧倒的な強さを見せ、金メダルを獲得しました。
男子メダル獲得国
金メダル：ソビエト連邦
銀メダル：ブルガリア
銅メダル：ルーマニア
女子メダル獲得国
金メダル：ソビエト連邦
銀メダル：東ドイツ
銅メダル：ブルガリア
日本の国内リーグである第13回日本リーグでは、白熱した戦いが繰り広げられました。
男子
優勝：新日本製鉄（10勝）
準優勝：富士フイルム（6勝4敗）
3位：専売広島（6勝4敗）
最高殊勲選手 (MVP)：田中幹保（新日本製鉄）
女子
優勝：ユニチカ（9勝1敗）
準優勝：カネボウ（7勝3敗）
3位：日本電気（7勝3敗）
最高殊勲選手 (MVP)：横山樹理（ユニチカ）
また、第29回全日本都市対抗バレーボール選手権大会も開催されました。
男子
優勝：新日鉄
準優勝：上海市排球団
3位：サントリー、専売広島
女子
優勝：米国コロラドスプリング市
準優勝：ユニチカ
3位：富士フイルム、東洋紡守口
この大会では、男子に上海市排球団、女子に米国コロラドスプリング市といった海外からのチームが参加し、国際色豊かな大会となりました。
1980年には、後に世界のバレーボール界や日本のV.LEAGUEで活躍することになる多くの選手たちが生を受けました。主な選手は以下の通りです。
1月4日 - ミレナ・ロスネル (Milena Rosner)
1月26日 - フィル・ダルハウザー (Phil Dalhausser)
2月5日 - 今井啓介
2月8日 - 上田剛史
3月6日 - 丹山禎昭
3月7日 - ファビアナ・オリベイラ (Fabiana Oliveira)
3月10日 - 高橋翠（現: 羽根翠）
3月12日 - アンドレイ・ジェコフ (Andrey Zhekov)
3月14日 - 掛川厚志
3月21日 - 楊昊 (Yang Hao)
3月23日 - エリカ・コインブラ (Érika Coimbra)
3月29日 - ナタリア・ルイコワ (Natalya Rykova)
4月5日 - 内冨寛法
5月9日 - デニス・オンソム (Denis Onsoms)
5月14日 - 中島美菜子
5月26日 - パオロ・コッツィ (Paolo Cozzi)
6月11日 - 日高誠
6月17日 - アナパウラ・ロペス・フェレイラ (Ana Paula Lopes Ferreira)
6月20日 - 若浦貴子
7月16日 - 高橋慎治
7月18日 - 盛重龍
7月22日 - 朝長孝介
7月30日 - サラ・アンツァネッロ (Sara Anzanello)
8月8日 - 加藤理絵
8月20日 - 興梠龍司
9月11日 - アレクサンドル・コルネーエフ (Alexander Korneyev)
9月22日 - 浦辺真希
9月25日 - 小山修加
9月26日 - イゴール・オムルチェン (Igor Omrčen)
9月30日 - ダンテ・アマラウ (Dante Amaral)
10月17日 - エカテリーナ・ガモワ (Ekaterina Gamova)
10月20日 - 山村宏太
11月4日 - 内藤香菜子
11月7日 - ハイーネ・スタエレンス (Chaïne Staelens)
11月14日 - 濱島哲也
12月5日 - ギュルデン・カナラル (Gülden Canalar)
12月20日 - 吉田あい
12月22日 - 浦田聖子
このように、1980年は国際大会での熱戦、国内リーグの盛り上がり、新たなチームの誕生、そして将来のスター選手の誕生や、シッティングバレーボールのパラリンピック正式種目化など、バレーボール界の多岐にわたる分野で記憶されるべき出来事が数多く起こった、非常に内容の濃い一年でした。
主要な出来事
この年、まず注目されたのは文化的な側面です。バレーボールを題材にした日ソ合作のフィクション映画『甦れ魔女』が4月に公開されました。この作品は、同年のモスクワオリンピックを背景にしており、バレーボールへの関心を高める一助となりました。
年の後半には、日本のバレーボール界に新たな動きがありました。11月には、現在もV.LEAGUEで活動する日立佐和リヴァーレ（後の日立リヴァーレ）の前身である日立佐和バレーボールチームが創設されました。さらに12月には、現在のPFUブルーキャッツの前身にあたるユーザック電子工業バレーボール部も産声を上げています。
また、12月には日本のバレーボール史に名を刻む出来事がありました。日立バレー部に所属していた中田久美選手が、当時史上最年少となる16歳3ヶ月という若さで日本リーグ（現在のV.LEAGUE）にデビューを飾ったのです。この鮮烈なデビューは大きな注目を集めましたが、彼女が樹立した最年少出場記録は、後に2007年に堀口夏実選手、2009年に宮下遥選手によって更新されています。
障がい者スポーツの分野でも重要な進展がありました。同年開催されたアーネムパラリンピックにおいて、シッティングバレーボールの男子の部が正式種目に採用されたことは、バレーボールというスポーツの可能性を広げ、障がいのあるアスリートたちの活躍の場を増やす上で画期的な一歩となりました。
国際バレーボール連盟（FIVB）には、この年、新たに6つの国・地域が加盟しました。具体的には、アフガニスタン、イギリス領ヴァージン諸島、キプロス、ニカラグア、ネパール、パレスチナです。これにより、世界のバレーボールファミリーはさらに広がりました。
国際大会
バレーボール界最大のイベントの一つであるオリンピックがこの年に開催されました。モスクワオリンピックのバレーボール競技では、開催国であるソビエト連邦が男女ともに圧倒的な強さを見せ、金メダルを獲得しました。
男子メダル獲得国
金メダル：ソビエト連邦
銀メダル：ブルガリア
銅メダル：ルーマニア
女子メダル獲得国
金メダル：ソビエト連邦
銀メダル：東ドイツ
銅メダル：ブルガリア
国内大会（日本）
日本の国内リーグである第13回日本リーグでは、白熱した戦いが繰り広げられました。
男子
優勝：新日本製鉄（10勝）
準優勝：富士フイルム（6勝4敗）
3位：専売広島（6勝4敗）
最高殊勲選手 (MVP)：田中幹保（新日本製鉄）
女子
優勝：ユニチカ（9勝1敗）
準優勝：カネボウ（7勝3敗）
3位：日本電気（7勝3敗）
最高殊勲選手 (MVP)：横山樹理（ユニチカ）
また、第29回全日本都市対抗バレーボール選手権大会も開催されました。
男子
優勝：新日鉄
準優勝：上海市排球団
3位：サントリー、専売広島
女子
優勝：米国コロラドスプリング市
準優勝：ユニチカ
3位：富士フイルム、東洋紡守口
この大会では、男子に上海市排球団、女子に米国コロラドスプリング市といった海外からのチームが参加し、国際色豊かな大会となりました。
誕生
1980年には、後に世界のバレーボール界や日本のV.LEAGUEで活躍することになる多くの選手たちが生を受けました。主な選手は以下の通りです。
1月4日 - ミレナ・ロスネル (Milena Rosner)
1月26日 - フィル・ダルハウザー (Phil Dalhausser)
2月5日 - 今井啓介
2月8日 - 上田剛史
3月6日 - 丹山禎昭
3月7日 - ファビアナ・オリベイラ (Fabiana Oliveira)
3月10日 - 高橋翠（現: 羽根翠）
3月12日 - アンドレイ・ジェコフ (Andrey Zhekov)
3月14日 - 掛川厚志
3月21日 - 楊昊 (Yang Hao)
3月23日 - エリカ・コインブラ (Érika Coimbra)
3月29日 - ナタリア・ルイコワ (Natalya Rykova)
4月5日 - 内冨寛法
5月9日 - デニス・オンソム (Denis Onsoms)
5月14日 - 中島美菜子
5月26日 - パオロ・コッツィ (Paolo Cozzi)
6月11日 - 日高誠
6月17日 - アナパウラ・ロペス・フェレイラ (Ana Paula Lopes Ferreira)
6月20日 - 若浦貴子
7月16日 - 高橋慎治
7月18日 - 盛重龍
7月22日 - 朝長孝介
7月30日 - サラ・アンツァネッロ (Sara Anzanello)
8月8日 - 加藤理絵
8月20日 - 興梠龍司
9月11日 - アレクサンドル・コルネーエフ (Alexander Korneyev)
9月22日 - 浦辺真希
9月25日 - 小山修加
9月26日 - イゴール・オムルチェン (Igor Omrčen)
9月30日 - ダンテ・アマラウ (Dante Amaral)
10月17日 - エカテリーナ・ガモワ (Ekaterina Gamova)
10月20日 - 山村宏太
11月4日 - 内藤香菜子
11月7日 - ハイーネ・スタエレンス (Chaïne Staelens)
11月14日 - 濱島哲也
12月5日 - ギュルデン・カナラル (Gülden Canalar)
12月20日 - 吉田あい
12月22日 - 浦田聖子
このように、1980年は国際大会での熱戦、国内リーグの盛り上がり、新たなチームの誕生、そして将来のスター選手の誕生や、シッティングバレーボールのパラリンピック正式種目化など、バレーボール界の多岐にわたる分野で記憶されるべき出来事が数多く起こった、非常に内容の濃い一年でした。
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