1980年の音楽

1980年の音楽

1980年（昭和55年）の音楽界は、国内外で様々な出来事が起こり、音楽史に残る重要な年となりました。この年、音楽業界は新たな才能の登場と、悲しい別れの両方を経験しました。

出来事

国内音楽シーン

1980年は、多くのアイドルがデビューした年として記憶されています。松田聖子、田原俊彦、岩崎良美、河合奈保子、柏原よしえ（現・芳恵）、三原順子など、後の音楽シーンを彩るアイドルたちが次々とデビューしました。また、ヤングジャパングループとオランダ・ポリグラムの合弁会社であるポリスターが設立され、音楽業界の新たな動きとなりました。

山口百恵が三浦友和との婚約と芸能界引退を発表したことは、多くのファンに衝撃を与えました。彼女の引退は、一つの時代の終わりを象徴する出来事でした。また、人気絶頂だったピンク・レディーが翌年3月末で一旦解散することを発表し、ファンに惜しまれました（その後、再結成）。

音楽業界の悲しい出来事として、編曲家の木田高介と阿部晴彦が交通事故で亡くなったことが挙げられます。彼らの追悼コンサートには多くのアーティストが集まり、1万人近いファンが彼らの死を悼みました。

海外音楽シーン

海外では、元ビートルズのジョン・レノンが「スターティング・オーヴァー」でビルボードチャート1位を獲得し、健在ぶりを示しました。また、デヴィッド・ゲフィンによってゲフィン・レコードが設立され、音楽業界に新たな風を吹き込みました。

イギリスでは、ヘヴィメタル系のロックフェスティバル「モンスターズ・オブ・ロック」が初開催され、以降、長年に渡り多くのロックファンに親しまれました。

そして、この年最大の悲劇は、12月8日にジョン・レノンがニューヨークの自宅前でファンを自称する男に射殺されたことでした。彼の死は世界中に衝撃を与え、多くの人々に深い悲しみをもたらしました。

音楽ランキング

シングルランキング

オリコンの年間シングルランキングでは、もんた&ブラザーズの「ダンシング・オールナイト」が1位を獲得しました。久保田早紀の「異邦人 -シルクロードのテーマ-」、クリスタルキングの「大都会」などが続き、歌謡曲、ニューミュージック、ロックなど様々なジャンルの楽曲がランクインしました。また、松田聖子の「青い珊瑚礁」や田原俊彦の「哀愁でいと」など、デビューしたばかりのアイドルたちの楽曲も上位にランクインしました。

アルバムランキング

アルバムランキングでは、松山千春の『起承転結』が1位を獲得しました。イエロー・マジック・オーケストラ（YMO）の『ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー』や、ABBAの『グレイテスト・ヒッツ Vol.2』など、国内外の様々なアーティストのアルバムが上位にランクインしました。特にYMOは複数のアルバムをランクインさせ、その人気を証明しました。

主な音楽賞

第22回日本レコード大賞では、八代亜紀の「雨の慕情」が大賞を受賞しました。最優秀歌唱賞は都はるみの「大阪しぐれ」、最優秀新人賞は田原俊彦の「ハッとして!Good」が受賞しました。また、日本歌謡大賞でも八代亜紀の「雨の慕情」が大賞を受賞しています。

その他

1980年には、多くのバンドが解散や活動休止をしました。井上堯之バンド、エマーソン・レイク・アンド・パーマー、レッド・ツェッペリンなどが解散。一方で、再結成したバンドもおり、音楽シーンの移り変わりを感じさせます。

また、この年は多くのミュージシャンが亡くなった年でもあります。ジョン・レノンをはじめ、エイモス・ミルバーン、ボン・スコット、マントヴァーニ、木田高介、イアン・カーティス、ビル・エヴァンス、ジョン・ボーナム、越路吹雪など、音楽史に名を残す多くのミュージシャンがこの世を去りました。

まとめ

1980年は、音楽業界にとって激動の一年でした。アイドルブームの到来、ニューミュージックやロックの隆盛、そしてジョン・レノンの死など、様々な出来事が重なり、音楽史に深く刻まれる一年となりました。この年の音楽は、現在でも多くの人々に愛され、聴き継がれています。

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