1984年の近鉄バファローズ

1984年の近鉄バファローズ

概要

1984年、近鉄バファローズは新監督岡本伊三美のもとで新たなスタートを切りました。この年は藤井寺球場を正式な本拠地とした最初のシーズンとしても記憶されています。前年度に4位に低迷した責任を取って関口清治前監督が辞任し、岡本が新たに監督に就任しました。

岡本監督は、1979年と1980年にチームを優勝に導いた選手たちがベテランとして衰えを見せ始めていたことを受けて、若手選手の育成に力を入れました。ドラフトで獲得した小野和義や、2年前のドラフト1位だった金村義明がその代表例です。新たにチームに加わった外国人選手として、ドン・マネーとリチャード・デュランが期待されましたが、マネーは不満を持ち退団。さらにデュランも続けてチームを去りました。その後、近鉄はリチャード・デービスを獲得し、彼は規定打席未満ながらも3割という好成績を残しました。

シーズンの進行

シーズンは開幕から好調に進みました。前年のチャンピオンである西武が出遅れたこともあり、7月までは阪急に次ぐ2位の順位を維持していました。しかし、8月以降に西武が若手選手を起用し始めると、近鉄は失速しました。結果的にチームは最終的に4位でシーズンを終えることとなりましたが、一時は借金を1桁まで減らす時期もありました。

チーム成績

投手陣では、鈴木啓示が300勝を達成し、16勝を挙げました。ベテランの柳田豊も10勝を記録しましたが、その後を受ける選手たちの成績が伸び悩み、谷宏明の8勝がその次点でした。チーム全体の防御率は4.36でリーグ4位にとどまりました。

打撃陣では、切り込み隊長の大石大二郎が46盗塁を達成し、盗塁王に輝くと同時に、チームトップの29本塁打を記録しました。チーム全体では174本の本塁打を記録し、リーグ1位の打撃力を誇りました。

特記事項

1984年のオールスターゲームでは、大石が第3戦で江川卓の連続奪三振記録を8で止める快挙もありました。これにより、彼の名はより多くのファンに知られることとなりました。

このシーズンは、岡本監督がチームの再建を図って若手選手を積極的に起用した年でもあり、近鉄バファローズにとって新たな方針の実現が試みられたシーズンでした。今後の成長と発展に期待が寄せられる年であったと言えるでしょう。

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