1995年のテレビ (日本)

1995年（平成7年）のテレビ

1995年、日本のテレビジョン放送は未曾有の出来事に直面し、その報道機能が改めて問われた一年でした。年明け早々の阪神・淡路大震災（1月17日）発生時には、各局が通常放送を中断して報道特別番組を編成。特に被災地に近い在阪局は、緊迫した状況を伝え続けました。3月には地下鉄サリン事件（3月20日）が発生し、その後のオウム真理教への強制捜査（3月22日）から教祖逮捕（5月16日）に至るまで、テレビは連日、関連ニュースやワイドショーでこの事件を大きく取り上げ、社会に大きな影響を与えました。これらの重大事件に加え、6月の全日空機ハイジャック事件でも、テレビは緊急報道体制を敷きました。

この年は、新旧の番組が交錯した年でもあります。バラエティ分野では、『ねるとん紅鯨団』の後を受けて『とんねるずのハンマープライス』（関西テレビ・フジテレビ系）がスタート。現在も続く人気番組『出没!アド街ック天国』（テレビ東京系）や、『めちゃ×2モテたいッ!』（フジテレビ系、後の『めちゃイケ』）もこの年に誕生しました。TOKIOが出演する『鉄腕!DASH』（日本テレビ系、後の『ザ!鉄腕!DASH!!』）も深夜枠で放送を開始し、後に看板番組へと成長していきます。

ドラマでは、NHK大河ドラマ『八代将軍吉宗』（主演：西田敏行）が始まり、1年間完結スタイルに戻りました。日本テレビ系ではヒット作の続編『家なき子2』（主演：安達祐実）や、『星の金貨』（主演：酒井法子）が話題を呼びました。TBS系では豊川悦司と常盤貴子が出演した『愛していると言ってくれ』や、浜田雅功と木村拓哉共演の『人生は上々だ』が高視聴率を記録。フジテレビ系では松本幸四郎主演の『王様のレストラン』や、織田裕二主演の『正義は勝つ』、鈴木保奈美と岸谷五朗の『恋人よ To Love You More』などが放送されました。

アニメ界では、後に社会現象となる『新世紀エヴァンゲリオン』（テレビ東京系）が放送を開始し、その斬新な作風は大きな反響を呼びました。情報・教養番組では、長寿番組となる『ためしてガッテン』（NHK総合）や、『上沼恵美子のおしゃべりクッキング』（朝日放送・テレビ朝日系）、深夜の情報バラエティ『ランク王国』（TBS系）がスタートしています。

一方で、長年親しまれた番組が幕を閉じました。料理番組『金子信雄の楽しい夕食』（朝日放送・テレビ朝日系）は、司会の金子信雄の死去に伴い終了。また、象印マホービンの単独提供で30年以上続いたテレビ朝日系の枠が『象印ニュースクイズ パンドラタイムス』の終了をもって消滅しました。TBS系の料理番組『キッチンパトロール』や、日本テレビ系の医療情報番組『健康増進時代』、そして関西テレビ・フジテレビ系のトーク番組『三枝の愛ラブ!爆笑クリニック』なども放送を終えています。

テレビを支える人々にも変化がありました。人気声優の山田康雄（『ルパン三世』ルパン役など）や富山敬（『ちびまる子ちゃん』おじいちゃん役など）が相次いで亡くなり、後任へと引き継がれました。『平成教育委員会』では、バイク事故で療養していた北野武が番組に復帰し、番組史上最高の視聴率を記録しました。また、長寿バラエティ『森田一義アワー 笑っていいとも!』（フジテレビ系）では、番組開始当初から出演していた明石家さんまや、長年レギュラーを務めた片岡鶴太郎らが降板し、SMAPの草彅剛やナインティナインらが新たなレギュラーに加わるなど、顔ぶれが大きく変わりました。

この年は、多くの番組や放送局が節目を迎えました。『パネルクイズ アタック25』（朝日放送）が1000回放送を達成し、『キユーピー3分クッキング』（日本テレビ系）は10000回、『徹子の部屋』（テレビ朝日）は5000回という記念碑的な放送回数を重ねました。また、『ニュースステーション』（テレビ朝日）や『アッコにおまかせ!』（TBS）が放送開始10周年、『マジカル頭脳パワー!!』（日本テレビ）が放送開始5周年を迎えています。放送局としては、愛媛朝日テレビ、琉球朝日放送、東京メトロポリタンテレビジョンの3局が新たに開局し、視聴可能エリアが広がりました。NHKはロゴマークのデザインを変更し、親しみやすい印象へとリニューアルしています。

視聴率では、年末の『NHK紅白歌合戦』第2部が50.4%を記録し、年間最高となりました。報道特番ではオウム真理教関連の番組が30%を超える高い関心を集めました。スポーツ中継では大相撲やプロ野球日本シリーズが高視聴率を獲得。ドラマでは『家なき子2』最終回、『八代将軍吉宗』、スペシャルドラマ『北の国から'95秘密』などが30%を超え、バラエティでは北野武復帰回の『平成教育委員会』が35.6%と驚異的な数字をマークしました。

1995年は、社会を震撼させた大事件への対応に追われる一方で、新たな人気番組が誕生し、テレビの多様性を示す一年となりました。多くの長寿番組が記念回を迎え、出演者や放送局にも様々な動きがあった、テレビ史において記憶されるべき年と言えるでしょう。

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