2009年のアメリカン・ル・マン・シリーズ

2009年の[アメリカン・ル・マン・シリーズ]は、シリーズ11年目のシーズンとして、3月21日のセブリング12時間レースから10月10日のモントレー・スポーツカー・チャンピオンシップまで全10戦が開催されました。

このシーズンは、LMP1、LMP2、GT2の3クラスに加え、一部のレースではチャレンジクラスが開催されました。チャレンジクラスには、IMSA GT3カップ・チャレンジのポルシェ・997 GT3カップ車両が参戦しました。注目すべきは、GT1クラスが事実上このシーズンで最後となり、コルベット・レーシングがロングビーチ戦以降GT2クラスに転向したことです。

また、2008年のプチ・ル・マンで先行導入されたミシュラン・グリーンXチャレンジ選手権が、今シーズンはシリーズを通して開催されました。これは、LMPとGTクラスで環境性能に優れたチームを表彰するものでした。

LMP1クラスでは、パトロン・ハイクロフト・レーシングのアキュラ・ARX-02を駆るデビッド・ブラバムとスコット・シャープ組が、最終戦マツダ・レースウェイ・ラグナ・セカで優勝し、シリーズチャンピオンを獲得しました。2位にはド・フェラン・モータースポーツのジル・ド・フェランとサイモン・パジェノ組が入りました。

LMP2クラスのタイトルは、アキュラ・ARX-01で参戦したエイドリアン・フェルナンデスとルイス・ディアス組が獲得し、フェルナンデス・レーシングにとって最高のシーズンフィナーレとなりました。

GT2クラスでは、フライング・リザード・モータースポーツのパトリック・ロングとヨルグ・ベルグマイスター組が、ポルシェ・911 GT3 RSRで6勝を挙げて圧倒的な強さでチャンピオンを獲得しました。

新たに導入されたGTチャレンジクラスでは、5戦のレースで争われ、マーティン・スノーとメラニー・スノーの夫婦ペアが初代チャンピオンに輝きました。

2009年シーズンのスケジュールは、2008年シーズンとほぼ同様でしたが、期間が短縮されました。これは、ALMS参戦チームが新たに設立されたアジアン・ル・マン・シリーズにも11月に参加できるようにするためです。また、デトロイトでのレースは開催中止となりました。チャレンジクラスは、ユタ、ライムロック、ミッドオハイオ、ロード・アメリカ、ラグナ・セカの5戦のみの参加となりました。

GT1クラスはセブリング12時間レースとロングビーチの2戦のみ実施され、シリーズチャンピオンは選出されませんでした。セブリングではコルベット・レーシングのジョニー・オコーネル、ヤン・マグヌッセン、アントニオ・ガルシア組が優勝し、ロングビーチではオリバー・ギャビンとオリビエ・ベレッタ組が優勝しました。

ポイントは、各クラスの優勝者の走行距離の70％以上を完走したトップ10ドライバーと車両に与えられました。(チャレンジクラスは50％以上) 複数台エントリーしたチームは、最上位車両のポイントのみが与えられました。ドライバーは各レースで最低45分以上のドライブが必要で(ロングビーチは30分)、初めてポイントを獲得する事が出来ました。

チームランキングはフルシーズン参戦チームのみが対象で、パートタイム参戦チームはランキングに含まれませんでした。ドライバーズポイントは、車両を運転した全ドライバーに均等に配分されました。

シーズンの終わりには、いくつかのチームの変更がありました。コルベット・レーシングは、セブリングとロングビーチをGT1で戦い、残りのレースをGT2で戦うことを発表しました。アウディはALMSからの撤退と、DTMとル・マン24時間レースへの集中を発表しました。ハイクロフト・レーシングとド・フェラン・モータースポーツはLMP2からLMP1に転向し、ロウズ・フェルナンデス・レーシングはLMP2に残留しました。ポルシェはペンスキー・レーシングへのワークスサポートを終了し、ダイソン・レーシングはローラ・B08/80|ローラ・B08_80に車両を変更しました。ポール・ジェンティロッツィ率いるロケットスポーツ・レーシングはジャガー・XKRでGT2に参戦する予定でしたが、最終戦のテストセッションでようやく参戦を果たしました。チーム・サイトスポーツは元ダイソン・レーシングのポルシェ・RSスパイダーを購入し、ミッドオハイオから参戦しました。

2009年シーズンは、クラス変更、チームの入れ替わり、そして新たなチャレンジクラスの導入など、多くの変化がありました。その中で、各チームは激しい戦いを繰り広げ、記憶に残るシーズンとなりました。

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