2019年の航空

2019年（平成31年/令和元年）は、世界の空において様々な出来事が起こった年となりました。

年明け早々の1月14日には、イランで軍用の貨物輸送機が着陸時に制御を失い、炎上する事故が発生しました。同じ日には、長年にわたり世界の空を飛んできたボーイング727型機が、イランのアーセマーン航空における定期旅客便としての運航を終了し、その歴史に一つの区切りがつけられました。また、同月21日には、サッカー選手を乗せた小型機が消息を絶ち、後に墜落が確認されるという痛ましい事故も発生しました。

2月23日には、アメリカのヒューストン近郊で、アトラス航空が運航する貨物機が墜落する事故が起きました。

3月は航空業界にとって特に衝撃的な月となりました。10日には、エチオピア航空の最新鋭旅客機が離陸直後に墜落する事故が発生し、世界中に大きな波紋を広げました。この事故は特定機種の安全性に対する懸念を呼び起こし、その後の航空業界に大きな影響を与えました。さらに、月末の28日には、アイスランドを拠点とする格安航空会社（LCC）であるWOWエアが経営破綻を発表し、全ての運航を停止しました。30日には、ロシアで開発が進められていた軽軍事輸送機Il-112が初めて空を飛びました。

4月に入ると、インドの大手航空会社であるジェットエアウェイズが、資金繰りの悪化を理由に全便の運航を停止するという事態に至りました。

夏にかけても航空関連のトラブルは続きました。6月27日には、ロシアのアンガラ航空の旅客機が緊急着陸後に滑走路を逸脱し、建物に衝突、炎上する事故が発生しました。8月15日には、ロシアのジュコーフスキー国際空港で、ウラル航空の旅客機が離陸して間もなく不時着するという出来事もありました。

秋には、ヨーロッパを中心に航空会社の経営問題が相次ぎました。9月6日には、フランスの航空会社であるエーグル・アズールが経営破綻により運航を停止。さらに、9月19日にはXL航空フランスが航空券販売を停止し、運航も終了しました。そして、月末の30日には、スロベニアのアドリア航空が破産手続きを申請し、運航を停止するなど、欧州の航空業界で再編や淘汰が進む様子がうかがえました。

年末には、新たな機体の開発に関する動きも見られました。12月12日には、ブラジルのエンブラエル社が開発するリージョナルジェット、E175-E2が初飛行に成功しました。しかし、年の終わりにも悲劇は起こり、12月27日にはカザフスタンでベック・エアの旅客機が離陸直後に墜落する事故が発生し、2019年の航空業界における困難な状況を印象づけることとなりました。

2019年は、大規模な航空機事故が複数発生し、多くの航空会社が経営の厳しさに直面して運航停止や破産に至るなど、波乱含みの一年でした。一方で、次世代の航空機開発も着実に進められており、航空の未来に向けた歩みも止まることはありませんでした。

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