2月30日

幻の日付、2月30日

2月30日は、通常、私たちが使用しているグレゴリオ暦には存在しない日付です。しかし、歴史を紐解くと、いくつかの暦において実際に使用されたり、提案されたりした興味深い日付でもあります。

過去に存在した「フェブラリー30日」

記録が少ない古代を除き、近代において「2月30日」が現れたのは、主に3つのケースです。

スウェーデン暦: 17世紀、スウェーデンはユリウス暦からグレゴリオ暦への移行を試みました。その過程で、1700年から閏年を段階的に廃止する計画が頓挫し、1712年にはユリウス暦に戻すために2月30日という日付が生まれました。これは、世界でも珍しい出来事でした。

ソビエト連邦暦: 1929年、ソビエト連邦では週5日制の導入に伴い、各月を30日とする暦が試みられました。1930年には、すべての月を30日とする「ソビエト革命暦」が提案されましたが、これはヨーロッパ諸国とのずれを懸念した政府によって却下され、実現には至りませんでした。

世界暦: 太陽暦の一種である世界暦は、各月の日数を均等化するために、毎年2月30日を設ける案を含んでいます。しかし、この暦は公式に採用されたことはありません。

「フェブラリー」以外の2月30日

太陽暦の中には、2月30日が存在するものがあります。例えば、イラン暦では2月（オルディーベヘシュト）は31日まであり、コプト暦では全ての月が30日であるため、2月（パオペ）も30日まであります。ただし、フランス革命暦のように月を番号で呼ばない暦では、「2月」という概念自体が存在しません。

太陰暦や太陰太陽暦では、月の日数が29日または30日であるため、2月30日が現れる可能性があります。中国暦や和暦（旧暦）では、月名と日数は無関係であるため、2月30日は他の月の30日と同程度に現れます。ただし、ヒジュラ暦やジャワ暦のように、偶数月を29日と定める暦では、2月は常に29日までとなります。

2月30日の存在意義

2月30日は、私たちが普段意識することはありませんが、暦の歴史や文化、そして時間の流れに対する人々の考え方を反映した興味深い存在です。暦の変遷を知ることで、時間に対する認識が深まり、世界をより深く理解するきっかけになるかもしれません。

関連項目

日付の一覧: 1月, 2月, 3月, 4月, 5月, 6月, 7月, 8月, 9月, 10月, 11月, 12月
前日: 2月29日
翌日: 3月1日
前月: 1月30日
翌月: 3月30日
旧暦: 2月30日
記念日・年中行事
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