346型レーダー

346型レーダーの概要

346型レーダー（H/LJG-346）は、中国人民解放軍海軍によって採用されているフェーズドアレイレーダーで、多機能な3次元レーダーとして、駆逐艦や航空母艦に搭載されています。このシステムは、艦上での運用に特化されており、高度な探知能力を持っています。

来歴

346型レーダーの開発は、1970年代から80年代にかけて進められました。中国海軍は、053K型フリゲート（江東型）に搭載された381型レーダーを用いて艦上の3次元レーダーの運用に着手しました。この381型レーダーは、その後旅大型駆逐艦にも搭載されましたが、性能上の不足から2000年代以降のミサイル駆逐艦ではロシア製のフレガートMAE-5やそのコピー品の382型が使用されました。

一方で、中国国内では1989年からアメリカのAN/SPY-1|AN_SPY-1を参考にしたフェーズドアレイレーダーの技術開発が始まりました。1994年にはSバンドを使用した送受信モジュールの開発に成功し、1995年に艦載用レーダーの正式な開発要求が出されました。技術的な課題が多かったものの、2000年に052C型駆逐艦「蘭州」の建造が開始され、346型レーダーの搭載艦が誕生しました。

設計

346型レーダーは、052C型駆逐艦に4面固定式のアクティブ・フェーズドアレイ・アンテナとして搭載されました。アンテナは、SバンドとCバンドのマイクロ波を用いており、探索と火器管制の機能を持っています。特に火器管制部分は、HHQ-9艦対空ミサイルの誘導にも対応しています。全ての構造物は冷却系も組み込まれており、レドームで覆われていますが、その設計には課題がありました。

レーダーの最大探知距離は400キロメートル以上ですが、冷却効果が均一に得られないため、探知距離や運用時間に限界があることが指摘されています。052D型駆逐艦には346A型が搭載されており、性能向上が図られています。この型では、冷却系が液冷に変更され、AESAアンテナの出力も強化されました。さらに055型駆逐艦には346B型が搭載され、探知距離が60パーセント延長されるなど、技術の進化が見られます。

採用国と搭載艦

346型レーダーは主に中国人民解放軍海軍によって採用されています。具体的な搭載艦は以下の通りです：

• - 航空母艦

- 遼寧（001型）
- 山東（002型）
- 福建（003型）

• - 駆逐艦

- 蘭州級駆逐艦（052C型）
- 昆明級駆逐艦（052D型）
- 南昌級駆逐艦（055型）

このように346型レーダーは、中国の海上戦力を支える重要な要素として役割を果たしています。高い探知能力と継続的な技術革新により、今後も海軍の戦略的な運用に寄与することが期待されています。

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