EDTV

EDTV（Enhanced Definition Television）とは

EDTVとは、Enhanced Definition Televisionの略称で、SDTV（標準画質テレビ）の解像度を向上させた映像規格です。具体的には、480i（NTSC）や576i（PAL）といったインターレース（飛越走査）方式ではなく、480p（NTSC）や576pといったプログレッシブ（順次走査）方式で映像を表示します。

一般的にEDTVは、SDTVにおけるプログレッシブスキャン方式を指し、HDTV（高画質テレビ）とは区別されます。ただし、国によっては解釈が異なり、例えばオーストラリアでは576pデジタルTVがHDTVとみなされることもあります。日本におけるEDTV放送としては、クリアビジョンおよびワイドクリアビジョンが挙げられます。

接続性

EDTV信号は、SDTV信号よりも多くの帯域幅を必要とします。そのため、接続にはコンポジットビデオケーブルやS-ビデオケーブルではなく、より帯域幅の広いケーブルを使用する必要があります。具体的には、D端子ケーブル、コンポーネントビデオケーブル、VGAコネクタ、DVI、HDMIコネクタなどを利用し、プログレッシブ出力に対応したDVDプレーヤーやゲーム機などの機器を接続します。

放送と表示機器

放送においては、HDTVよりも使用する帯域幅が小さいため、テレビ局は比較的容易にEDTV放送を開始できます。EDTVはSDTVと同様に非正方画素で放送され、4:3または16:9のアスペクト比が用いられます。特に16:9の映像は、アナモルフィックワイドスクリーンと呼ばれます。

ほとんどのEDTVを正方画素で表示するためには、852×480の解像度が必要ですが、放送ではこの解像度を使用しないため、この解像度で表示されるのはiTunesのビデオや一部のゲーム機ダウンロードコンテンツなどに限られます。

DVDs

DVDプレーヤーのプログレッシブ出力は、EDTVの基準として捉えることができます。例えば、秒間24コマ（24fps）で制作された映画は、24fpsのプログレッシブ映像としてDVDにエンコードされます。しかし、ほとんどのDVDプレーヤーは、インターレースTV向けに3:2プルダウン変換を行い出力するため、通常のTVでは映画を本来の24コマで鑑賞することができません。

480p表示が可能なTVであれば、プログレッシブ出力によってインターレース変換なしにDVD収録の24fps映像を鑑賞できます。プログレッシブ出力を利用しない場合でも、近年のTV装置ではアップコンバートなどの信号処理技術によって、インターレース映像をプログレッシブスキャンのように見せる工夫がされていますが、その品質はアップコンバートの精度に左右されます。

Blu-ray DiscやHD DVDでもEDTV形式でのコンテンツ収録が可能ですが、これらのメディアはHDTVが主なセールスポイントであるため、EDTVコンテンツはボーナスコンテンツ程度に留まっているのが現状です。

EDTVに対応したゲーム機

以下にEDTVに対応したゲーム機を記載します。

セガ
ドリームキャスト：一部ゲームでVGA接続による640x480のプログレッシブ出力に対応
ソニー・コンピュータエンタテインメント
プレイステーション2：一部ゲームで480p出力に対応
プレイステーション3：コンポーネント接続、HDMI接続で480p出力に対応
任天堂
ニンテンドーゲームキューブ：コンポーネント接続（D2）互換の出力に対応（初期型のみ）
Wii：コンポーネント接続互換の出力に対応
マイクロソフト
Xbox：コンポーネント接続互換の出力に対応
Xbox 360：コンポーネント接続、VGA接続、HDMI接続（新しいモデルのみ）で480p出力に対応

関連情報

480p'>480p
クリアビジョン
ワイドクリアビジョン
NTSC'>NTSC
PAL'>PAL
* EDBeta

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