6号族

サラブレッドの系図において、6号族（Family 6）は非常に重要な位置を占める牝系です。その歴史は古く、牝祖であるオールド・ボールド・ペッグは1635年生まれと伝えられており、サラブレッドの黎明期から脈々と受け継がれてきた血統と言えます。

6号族の母系は、初期サラブレッドの父系形成に計り知れない影響を与えました。ダーレーアラビアンの血を受け継ぐフライングチルダーズやバトレットチルダーズ兄弟、ゴドルフィンアラビアンの血統を受け継ぐケード、そしてバイアリータークの血統を繋ぐジグなど、主要な父系の礎を築いた馬たちが、6号族の牝馬から誕生しています。

17世紀から18世紀にかけては、数多くの活躍馬を輩出しました。サラブレッドの歴史において重要な出来事に関わった馬も多く、初代ダービーステークスの優勝馬であるダイオメド、ダービーとオークスの両方を制覇した初の競走馬であるエリナーなどが、この6号族に属します。さらに、キングファーガスやソーサラーといった、後の父系の形成に大きく関与した馬も輩出しており、サラブレッドの歴史に多大な貢献を果たした一族と言えるでしょう。他にも、スパンカー、ロクサナ、シルバーロックス、ラスといった馬も6号族から生まれています。

これらの馬以外にも、17、18世紀の活躍馬は多数存在し、6号族がサラブレッドの歴史においていかに重要な役割を果たしてきたかがわかります。

その後、勢力は一時的に衰えるものの、現代においてもその血統は受け継がれ、数々の名馬を生み出しています。ファントム、プリアム、パーソナルエンスン、カウントフリート、オレアンダー、ハイペリオン、サートリストラム、テネラニ、オールドマン、ビッグゲーム、グレイゾヴリン、ツルマルボーイ、ネーハイシーザー、トーシンブリザード、メイセイオペラ、そしてハーツクライなど、近年の活躍馬も6号族に属しており、その血統の強さを示しています。

ミトコンドリアDNA（mtDNA）のハプロタイプ分析においては、D2系統が多いとされていますが、解析例が少ないため、現状では断定的なことは言えません。

このように6号族は、その歴史、輩出した名馬の数、そして現代における活躍馬の数から、サラブレッドの母系の中でも最も重要な一族の一つであると言えるでしょう。その歴史の長さと、現代にまで続く影響力は、サラブレッドの歴史を語る上で欠かせない存在です。 古くから脈々と受け継がれる血統は、これからも多くの優秀な競走馬を生み出し続けることが期待されます。

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