7.63x25mmマウザー弾

7.63x25mm マウザー弾の詳細

7.63x25mm マウザー弾（通称：モーゼル弾）は、モーゼルC96拳銃で使用されるために1896年にドイツで開発された弾薬です。この弾薬は、7.65x25mmボルヒャルト弾を基にしており、その外見は同時期に開発された7.65x21mmパラベラム弾と似ていますが、異なる設計を持っています。結果として、これらは混同されることがあるため、注意が必要です。

マウザー弾を使用する銃器

マウザー弾は、主にモーゼルC96やその派生型、さらに国内外のコピー品また、戦後にはスイス製のベルグマンM/20などの短機関銃で使用されています。現在でもこの弾薬は、フィオッチ社、セリアー&ベロット社、プルビ・パルチザン社など複数の企業によって生産されています。

弾薬の互換性

7.63x25mmマウザー弾は、ソ連の7.62x25mmトカレフ弾の基礎にもなりました。これらの弾薬は薬莢のサイズがほぼ同じため互換性がありますが、トカレフ弾の多くが軟鋼製のジャケットを弾頭に使用しているため、特にモーゼルC96のように銃身交換が難しい銃器での使用には注意が必要です。このような弾薬を使用すると銃身内のライフリングが早く磨耗し、銃身の寿命が縮むリスクがあります。
反対にトカレフ弾用の銃は、銃身の消耗を前提に設計されており、銃身交換が容易な構造になっています。また、銃身内にはクロムメッキが施され、耐摩耗性が強化されています。

歴史的背景

冬戦争や第二次世界大戦中には、フィンランド国防軍やドイツ国防軍がソ連製短機関銃を鹵獲し利用しました。PPSh-41など、当時のソ連製短機関銃は7.62mmトカレフ弾を使用していたため、7.63x25mmマウザー弾がその代替として用いられました。具体的には、フィンランド軍が100万発のマウザー弾をソ連製銃器で使用するためFN社に依頼した記録もあります。

日本においても、海軍が「べ式自動拳銃」や「ス式自動拳銃」といった短機関銃で7.63x25mmマウザー弾を使用しました。また陸軍では、満州事変や支那事変においてモーゼルC96が大量に鹵獲され、現地部隊や関東軍で利用されました。この結果、7.63x25mmマウザー弾も国産化されました。1940年には「モ」式大型拳銃として準制式が制定され、1943年には同弾薬も「モ」式大型拳銃弾薬として準制式に認定されています。

関連情報

この弾薬には、7.65x25mmボルヒャルト弾や7.62x25mmトカレフ弾などの関連項目も存在します。こうした関連弾薬の理解を深めることで、弾薬に対する知識がより豊かになるでしょう。

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