8.11 PAGODA

アルバム概要

『8.11 PAGODA』（8.11 パゴダ）は、バンドチューリップによるライブアルバムで、1984年9月29日に発売されました。このアルバムは、同年8月11日に神奈川県の芦ノ湖畔で行われた屋外コンサート「TULIP LAND in 芦ノ湖」の演奏を録音したもので、チューリップにとっては第2期最後のライブ盤にあたります。このコンサートは、翌年に安部俊幸、姫野達也、伊藤薫の3名が脱退したため、メンバーが揃っての最後の実演を記録した貴重な作品と言えるでしょう。

アルバムには、ライブの模様を捉えた写真集とビデオも同時にリリースされました。特にビデオ版は2005年にDVDとして再発売されましたが、収録曲の順番がアルバム版とは異なり、一部の楽曲がカットされるなど、兄弟作としても異なる魅力を持つ作品となっています。さらに、アルバムに収められなかった楽曲も存在し、都度ファンの間で話題となることがあります。また、2022年の時点では、LP版のみが存在し、CDとしてのリリースは未だ行われていません。

アートワークと演出

本作のジャケットアートは、80年代に膨らんだ宇宙をテーマにした路線を強く反映しています。特に終盤の演出として舞台上に仏像のような頭部が現れる場面や、会場に設置された仏塔状のオブジェが描かれたデザインは、ライブの一体感や神秘性を一層引き立てています。こうした視覚効果も相まって、チューリップの音楽と演出がどのように織り交ぜられたかが感じ取られることでしょう。

収録曲

アルバムに収められている楽曲の内訳は以下の通りです：

• - SIDE 1

1. THE 10th ODYSSEY
2. エジプトの風
3. "Feel It"
4. 星のコラージュ
5. Wake Up

• - SIDE 2

1. セプテンバー
2. 青春の影
3. 虹とスニーカーの頃
4. 銀の指環
5. Norwegian Wood
6. 逃避行

• - SIDE 3

1. 愛の迷路
2. 夏の夜の海
3. この小さな掌（詩歩子へ）
4. 生まれる星
5. Shooting Star

• - SIDE 4

1. 光の輪
2. OUR SONG
3. The Halo
4. 心の旅
5. 夢中さ君に

全体を通して財津和夫さんが多くの楽曲でボーカルを担当し、楽曲ごとに異なるメンバーの声が交代で聴けるのも魅力の一つです。特に「光の輪」や「OUR SONG」は、ライブで初めてお披露目された楽曲であり、観客との一体感が感じられる瞬間でもありました。

総括

『8.11 PAGODA』は、チューリップの音楽的なピークを示す重要な作品であり、バンドのキャリアにおいて特別な位置を占めています。過去の名曲だけでなく、未収録曲も含めて多彩な楽曲が揃っており、ファンにとっては必聴のアルバムと言えるでしょう。この作品はチューリップの歴史を語る上で欠かせない要素といえます。

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