A5404S

A5404S (えーごーよんぜろよんえす)について

A5404Sは、ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ（現：ソニーモバイルコミュニケーションズ）が開発し、KDDIのauブランドから発売されたCDMA 1X方式の携帯電話端末です。このモデルは、EZナビ(GPS)やEZムービーといった当時としては先進的な機能を搭載しており、特に動画再生機能に重点を置いた設計が特徴です。

概要

A5404Sは、ソニー・エリクソン製のA5000番台端末としては事実上最後のモデルであり、前モデルのA5402Sに続くA5400番台の2機種目にあたります。CPUにはARM7、ベースバンドチップにはクアルコムMSM5100、音源チップにはヤマハMA-5（64和音対応）を採用しています。また、Phase2.5のEZアプリ (Java)実行環境を搭載し、当時の携帯電話としては高度な機能を実現していました。

主な特徴

• - 動画再生機能: 『ムービーのためのデザイン。ムービーのためのスペック。』というキャッチフレーズが示すように、ソニー製のテレビや専用レコーダーで録画した「モバイルムービー」形式(LP2モード、176×144ピクセル,15fps)の動画を再生できることが最大の魅力でした。メモリースティックビデオフォーマットへの移行に伴いモバイルムービー規格は短期間で終了しましたが、テレビ番組を携帯電話で視聴するというコンセプトを先駆けて提示しました。また、120分のモバイルムービー再生後でも、30分程度の通話が可能なバッテリー性能も備えていました。
• - デザイン: ヒンジ開度を120度付近で固定できる「120°クリックメカニズム」を採用しており、机上に置いて動画を視聴する際に安定性を確保しています。フィルム型アンテナを内蔵し、底面をフラットにすることで設置時の安定性を高めています。ヒンジは約170度まで開きます。外装の着せ替えには非対応です。
• - カメラ機能: 有効130万画素のCCDカメラを搭載し、最大SXGAサイズの静止画、QVGAサイズの動画撮影が可能です。パンフォーカス仕様ですが、本体のスライドスイッチでマクロモードに切り替えられます。VGAサイズ以上の撮影では本体を横に傾けるペングリップスタイルでの撮影となります。8倍デジタルズーム（QVGA以上では4倍相当）やジョグダイヤルを用いたリニアズーム、夜景モード、スポット測光機能、白色LED4灯による補助灯も備えています。
• - ディスプレイと操作性: メインディスプレイはQVGA解像度で、新しいシステムフォントとメニュー画面を採用しています。メニュー画面はプリセット3種類に加えて、公式サイトから追加デザインをダウンロードできました。Eメールは最大180文字、EZWebでは最大225文字を1画面で表示でき、漢字変換時の予測候補も5行表示になりました。カラーサブディスプレイは正方形で、節電時でも黒背景に白文字で情報を常時表示します。ジョグダイヤルは従来より幅が狭く、ヒンジ部に埋め込まれています。ダイヤルキーボタンも出っ張りのないデザインです。キー照明はアンバー色を採用しています。
• - プリセットデータ: 中島美嘉の「雪の華」の着うた（フルサイズではない）、松浦雅也によるAIBO「ERS-7」シリーズのテーマ曲、キャラクター時計のJavaアプリ、映画予告編「バッドボーイズ 2バッド」などがプリセットされていました。

デザインとコンセプト

発売当時、A5404Sは「光る着せ替えケータイ」A1101Sを進化させたようなデザインと言われました。また、A1402S、W21S、A1404Sなどの後継機種にも基本設計の類似点が見られます。本体デザインが類似しているソニー製ノートパソコン、VAIO PCG-Z1シリーズと共に持ち歩くユーザーもいました。

対応サービス

A5404Sは以下のサービスに対応していました。

• - EZ着うた
• - EZ＠NAVI (ナビウォークには非対応)
• - ムービーメール(S/M)
• - EZムービー(S/M/L/LL)
• - EZアプリ (Java) ※QVGAベースではないため拡大表示

まとめ

A5404Sは、動画再生に特化した機能とデザインが特徴的な携帯電話でした。当時の技術を駆使し、携帯電話での動画視聴という新しい体験を提供したモデルとして、その後の携帯電話の進化に影響を与えたと言えるでしょう。

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