B-57 130mm列車砲

B-57 130mm列車砲

B-57 130mm列車砲は、ソビエト連邦が第二次世界大戦中に運用した列車砲です。正式名称は「130-мм железнодорожная установка Б-57」で、労農赤軍が使用した列車砲の中では最も小口径であり、最も多く生産されました。しかし、その実態は、4軸4輪の無蓋貨車に防盾付きの130mm砲を搭載した、移動式のトーチカのようなものでした。

特徴

他の列車砲と同様に、海軍艦艇から接収した艦砲（B-13 130mm艦砲）をそのまま利用していますが、ロシア帝国時代の艦砲ではなく、ソ連成立後の1935年に製造された艦砲を搭載している点が特徴です。これは、当時のソ連が新たな軍事技術を積極的に取り入れていたことを示しています。

B-57は、1941年から1943年にかけてレニングラードで生産され、レニングラード攻防戦に投入されました。しかし、第二次世界大戦を経て多くが失われ、航空技術の発達により列車砲というカテゴリー自体が衰退したため、ソ連においても他の列車砲と共に1960年代までには退役し、博物館に展示されるようになりました。

B-13 130mm艦砲

B-57に搭載されたB-13 130mm艦砲は、ソ連だけでなく多くの国に輸出され、1954年まで製造が続けられ、合計1199門が生産されました。戦後、本来の用途である艦砲として再び使用されたほか、二連砲身型のB-28やB-2LMなど、さまざまな派生型も開発されました。

運用

フィンランド国防軍は、第二次芬ソ戦争（継続戦争）において、ハンコの戦いでB-13を5門鹵獲しました。フィンランド軍は、これらの砲を継続戦争中はもちろん、1990年代まで沿岸砲として運用し続けました。また、ソ連も冷戦時代の中ソ国境紛争の前後に、ウラジオストクに少数配備し、沿岸砲として使用しました。

採用艦艇

B-13は、以下のソ連海軍艦艇に搭載されました。

1型駆逐艦（レニングラード級駆逐艦）
7型駆逐艦（グネフヌイ級駆逐艦）
7U型駆逐艦（ストロジェヴォイ級駆逐艦）

関連情報

SU-100Y: B-13を搭載したソ連の自走砲。
オグネヴォイ級駆逐艦: 連装砲型のB-2LMを主砲として搭載した駆逐艦。

外部リンク

レニングラード攻防戦に投入されたB-57の画像

まとめ

B-57 130mm列車砲は、ソ連の軍事技術と戦略思想を反映した兵器でした。その運用は短期間で終わりましたが、搭載されたB-13艦砲は、その後の海軍兵器開発に大きな影響を与えました。特に、フィンランドでの沿岸砲としての長期間の運用は、その性能の高さを物語っています。

もう一度検索