Build the Earth

Build The Earth (BTE): Minecraft で地球を再現する壮大なプロジェクト

Build The Earth（ビルド・ジ・アース、BTE）は、サンドボックスゲーム『Minecraft』内で、現実世界の地球を実物大で再現するという、他に類を見ない壮大なプロジェクトです。世界中のプレイヤーが協力し、創造性を結集することで、バーチャルな地球を構築しています。

歴史

プロジェクトは、YouTuberのPippenFTSが2020年3月に開始しました。彼は『Minecraft』内で地球を再現するという大胆なアイデアを提唱し、その呼びかけに多くのプレイヤーが共鳴しました。COVID-19のパンデミックによるロックダウン期間中、BTEはプレイヤーにとって仮想世界を体験し、創造的な活動を行うためのプラットフォームとしての役割を果たしました。PippenFTSは、YouTube動画を通じて参加を呼びかけ、実際の地球の地形データに基づいた仮想空間に、人工的な構造物を再現するよう促しました。プロジェクトの円滑な運営と参加者間の連携を目的として開設されたDiscordサーバーには、2020年4月までに10万人を超えるユーザーが集まり、コミュニティが急速に拡大しました。

当初、地形生成にはメルカトル図法が試みられましたが、歪みが大きいため、ダイマクション地図の修正版が採用されました。この変更により、海洋の歪みは大きくなったものの、陸地の歪みを最小限に抑えることが可能になりました。

『Minecraft』の開発元であるMojang Studiosも、2020年のアースデイに公式サイトでこのプロジェクトを紹介し、その意義を認めました。同年7月には、人気YouTuberのMrBeastが、他の50人の参加者と共に、自身の故郷であるノースカロライナ州ローリーをBTE内で建設する動画を公開し、プロジェクトの知名度向上に貢献しました。

2020年には、Daniel Tanによってタージ・マハルの実物大の再現が完成し、その完成度の高さが話題となりました。2022年には、2,000人を超えるプレイヤーのチームが、ナショナル・セプテンバー11メモリアル&ミュージアム、ニューヨーク郡裁判所、セント・パトリック大聖堂、ソーホーなど、ニューヨーク市の主要なランドマークを実物大で再現しました。また、400人を超えるプレイヤーのチームが、アルガルヴェ・インターナショナル・サーキットを含むポルトガルの建造物を建設し、プロジェクトの規模と多様性を示しました。

ソフトウェア

BTEプロジェクトは、主に「Cubic Chunks」と「Terra++」という2つの『Minecraft』のMODに大きく依存しています。「Cubic Chunks」は、ゲーム内の高さ制限を解除し、高層建築物の建設を可能にします。一方、「Terra++」は、オープンストリートマップなどの地理データサービスから情報を取得し、自動的に地形を生成することで、建築プロセスを効率化します。当初は「Terra++」の代わりに「Terra 1-to-1 mod」が使用されていました。

PippenFTSは、「Cubic Chunks modがMinecraftの高度制限を打ち破ったことで、縮小することなく、Minecraftでそのままの地球を体験できるようになった」と述べており、MODの重要性を強調しています。

Build The Earthは、技術的な革新とクリエイティブなコラボレーションが融合した、他に類を見ないプロジェクトです。世界中のプレイヤーが参加し、仮想空間に地球を再現するという壮大な目標に向かって、日々進化を続けています。

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