Docomo PRO series

docomo PRO series：ビジネスにも最適化されたハイスペック携帯電話シリーズ

NTTドコモが2008年11月から2011年夏モデルまで展開していた携帯電話シリーズ「docomo PRO series」は、高いスペックと独自の機能を備えたハイスペック機として注目を集めました。

シリーズの特徴

このシリーズは、単なる携帯電話としてだけでなく、企業のパソコンやサーバ、自宅のパソコンとの連携を重視した設計が特徴です。多くの機種に、パソコンやサーバとの連携アプリケーション、無線LAN、POP、IMAPメール対応のメーラーが搭載されていました。公衆無線LANサービス「Mzone」への対応も大きな特徴の一つです。

アプリケーションの面では、JAVAアプリやネイティブアプリに対応した機種が多く、一方、iアプリには非対応の機種も少なくありませんでした。文字入力には、従来のテンキーではなく、QWERTYキーボードを採用した機種が多く、迅速で容易な文字入力が可能でした。Windows MobileやBlackBerry搭載機種では、Microsoft Office製品の簡易編集もできる機種もありました。

ブラウザはフルブラウザを搭載しており、パソコンサイトの閲覧が可能でしたが、iモード公式サイトには対応していない機種が多数存在しました。国際ローミングサービス「WORLD WING」やBluetoothにも対応していました。

2010年夏モデル以降は、スマートフォン機能を持つ機種が新たなカテゴリ「ドコモスマートフォン」に移行したため、PRO seriesは高度な機能を持つiモード対応機種に絞られました。すでに発売済みのスマートフォンは、PRO seriesとドコモスマートフォンの両方に属することになりました。2011年9月8日、ドコモは2011年夏モデルをもって「docomo PRO series」の廃止を発表しました。

iモード機能とメール対応

2009年冬・春モデルまでは、Windows MobileやBlackBerry OSを採用した機種が多く、それらの機種ではiモード公式サイトの利用、iアプリ、おサイフケータイなどのNTTドコモ独自機能は搭載されていませんでした。しかし、シャープ製の機種は、標準的にiモードの各種機能を利用できました。

2010年夏モデル以降、スマートフォン機能を持つ機種がドコモスマートフォンへ移行したことで、PRO seriesに属する機種はiモードの各種機能が利用可能になりました。2009年4月1日からはiモード.netモバイルモードにより、Webメールでiモードメールが利用できるようになりました。また、HT-03AとT-01Aでは、iモード.netを応用したアプリでiモードメールの送受信、新着通知、絵文字にも対応しました。

BlackBerry機種では、POPメール、IMAPメール、Gmail、HotmailなどのWebメールをプッシュ配信で受信可能でした。Windows Mobile携帯では、moperaメールやHotmailをプッシュ配信していました。

spモードへの対応

SC-01BとT-01Aは、2010年9月1日から提供開始されたspモードに対応しました。これにより、絵文字やデコメールを含むiモードメール、コンテンツ決済、フィルタリングなどが利用できるようになりました。（ただし、T-01AはWindows Mobile 6.5へのOSバージョンアップが必要でした。）

機種と機能

PRO seriesの機種は、スマートフォンと従来型携帯電話に分類されます。スマートフォンは、タッチパネルやQWERTYキーボードを搭載したものが多く、従来型携帯電話も、多くの機種に簡易キーボードやタッチパネルが搭載されていました。

発売中止やカテゴリ変更の事例

Nokia E71は、PRO seriesで発売予定でしたが、NOKIAの日本撤退により発売中止となりました。SO-01Bはスマートフォンでしたが、従来のスマートフォンカテゴリであるdocomo PRO seriesではなく、「ドコモスマートフォン」として発売され、ユーザーの利用障壁を下げる施策がとられました。F-07Cは、スペック的にはPRO seriesに近い機種でしたが、このシリーズには属さず、コンセプトモデルとして扱われました。

docomo PRO seriesは、その高度な機能とビジネスユースへの最適化によって、当時多くのビジネスパーソンから支持を集めたシリーズでした。

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