EADS CASA C-295

EADS CASA C-295について

EADS CASA C-295は、エアバス・ディフェンス・アンド・スペース社（旧EADS CASA）によって設計された双発ターボプロップエンジンを搭載した中型戦術輸送機です。この航空機は、1980年代に開発されたCASA CN-235の改良型として位置づけられています。CASA社がインドネシアのIPTN社と協力し、CN-235を開発した際には、軍用と民間用の両方で高い人気を博し、その結果、200機以上が生産されました。これにより、次世代機であるC-295の開発が1995年に始まりました。

最初の試作機は1997年に初飛行し、翌年には新造機が飛行しました。1999年には、EADS社に統合されてEADS CASAの製品となったC-295は、以降、エアバス・ミリタリー社の一部となりました。航空機の設計には、元のCN-235の胴体を3.1メートル延長してペイロードを50％増加させる改良が施されています。これに伴い、より強力なプラット・アンド・ホイットニー社製PW127Gエンジンが搭載され、効率的な6つの翼プロペラが使用されています。また、最新のアビオニクスとして、タレス社によるグラスコックピットが採用されています。

C-295は、さまざまなバリエーションを持ちますが、基本型のC-295Mは戦術輸送型として位置づけられています。他にも、海洋監視用のC-295 MPA「パーシェイダー」や早期警戒型のC-295 AEWなどの派生型があります。戦術輸送型の貨物室は、約48.54立方メートルという有効容量を持ち、そんなC-295Mの寸法は、全長が約24.50メートル、高さは8.60メートル、幅は2.70メートルです。さらにC-295 AEW型は、イスラエル・エアロスペース・インダストリーズ社製のAESAレーダーを搭載するロートドーム型のレドームを装備しているなど、様々な特長があります。

2010年代には、輸送型の改良版であるC-295Wが登場しました。C-295Wは、主翼にウィングレットを追加し、空気力学的性能を向上させています。さらに、このモデルには後付けできる空中給油キットも開発され、2020年1月には試験に成功しています。

諸元と性能

C-295は、最小限の乗員数が2名で、兵員輸送が最大75名、または空挺部隊を48名まで収容可能です。ペイロードは約9,250キログラムで、最大離陸重量は23,200キログラムという性能を有しています。最大速度は576km/h、巡航速度は480km/hであり、航続距離も最大燃料搭載時には4,500kmに達します。

全体的に、EADS CASA C-295は、その多用途性と優れた性能により、さまざまな国で運用されています。戦術輸送から海洋監視、早期警戒まで幅広い任務に対応できる能力が、この航空機の大きな魅力となっています。

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