F001

F001：富士通東芝が手がけたau向けフィーチャーフォンの軌跡

F001は、富士通東芝モバイルコミュニケーションズ（現FCNT）が、auブランドを展開するKDDIおよび沖縄セルラー電話向けに開発したCDMA 1X WIN対応のフィーチャーフォンです。製造型番はFJ001。

特徴

F001は、富士通東芝時代の東芝ブランド「T008」の後継機種として、アクリル絵具ブランド「Liquitex」とのコラボレーションによって誕生しました。デザイン面での特徴に加え、機能面でも当時の最新技術が搭載されています。

充電端子

auのフィーチャーフォンとしては初めて、充電端子に従来のARIB-Bコネクタではなく、microUSB・typeBコネクタを採用しました。これは卓上ホルダの端子も同様です。当時、ドコモやSoftBank、イー・モバイルの一部機種ではARIB-Aコネクタが採用されており、microUSB端子の採用は、ウィルコムのWX330Kやイー・モバイルのH31IAなど、一部の機種に限られていました。

その他機能

日本中央競馬会の電話投票・インターネット投票システム「I-PAT」は、一部機能が制限されていました。携帯アプリ版は2011年12月15日にダウンロード対応が開始されたものの、入出金は利用できませんでした。HTML版は現在も利用不可です。
auから発売されたフィーチャーフォンとして初めて、緊急速報メールに対応しました。
富士通東芝の富士通ブランドとして開発されたフィーチャーフォンは、このF001が唯一です。

富士通東芝からFCNTへ

2012年4月1日、東芝は富士通東芝の株式を富士通に譲渡し、事実上携帯電話事業から撤退しました。富士通東芝は富士通モバイルコミュニケーションズに社名を変更。その後、2018年10月1日に、2016年2月に新設された子会社である富士通コネクテッドテクノロジーズに合併され消滅しました。さらに2021年4月1日には社名をFCNTに変更し、富士通グループから独立。これにより、富士通（富士通東芝、富士通モバイルを含む）は携帯電話事業から完全に撤退しました。

沿革

2011年9月26日：KDDI、および富士通東芝モバイルコミュニケーションズより公式発表。
2011年11月9日：東北・関西・中国地区にて先行発売。
2011年11月10日：関東・中部・四国・沖縄地区にて発売。
2011年11月11日：上記以外の地区にて発売。
2012年1月31日：auのフィーチャーフォンとして初めて「緊急速報メール」に対応。
2012年7月22日：L800MHz帯（旧800MHz帯）の停波に伴い、N800MHz帯（新800MHz帯）および2GHz帯で利用する方式に変更。
2013年2月：販売終了。
2022年3月31日：auの3Gサービス完全終了により、F001は使用不可となりました。

主なサービス

F001は、当時のフィーチャーフォン向けサービスに対応していました。具体的なサービス内容は、各キャリアの公式サイトや当時の資料を参照ください。

関連情報

富士通モバイルコミュニケーションズ
富士通
東芝
T008：F001のベースとなった機種。
SH005：F001同様、7色のカラーバリエーションを展開した機種。
SA002：同上。
くーまん：富士通のキャラクター。

外部リンク

携帯電話（F001） - FMWORLD.NET（個人）
F001 | 携帯電話 | au - ウェイバックマシン

F001は、富士通東芝の技術とデザインが融合した、フィーチャーフォンの歴史に残る一台と言えるでしょう。その革新的な機能とデザインは、当時のユーザーに強い印象を与えました。現在では3Gサービスが終了し利用することはできませんが、その功績は語り継がれるべきです。

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