G320国道

G320国道（別名：国道320号線、G320線、簡称：滬瑞線）は、中華人民共和国の上海市を起点とし、雲南省の瑞麗市に至る、全長3695kmの長大な国道です。中国の南部地域を東西に横断するこの道路は、上海市、浙江省、江西省、湖南省、貴州省、雲南省の6つの省と直轄市を結び、各地域の経済発展と人々の移動を支える重要な役割を担っています。

歴史的背景

G320国道は、その一部が歴史的な滇緬公路（てんめんこうろ）として知られています。この滇緬公路は、1938年に昆明から瑞麗畹町鎮（開通当時は畹町市）までの区間が開通しました。滇緬公路は、第二次世界大戦中に連合国が中国への物資輸送を行う上で重要なルートでした。

ルートの概要

G320国道のルートは、上海から昆明までの区間では、概ね滬昆線（ここんせん）と呼ばれる鉄道線に沿って走っています。また、楚雄から大理までの区間では、広大線と呼ばれる道路に沿っています。終点の瑞麗市では、瑞麗口岸を通じてミャンマーの道路と接続し、国際的な交通の要衝となっています。

主要な接続路線

G320国道は、多くの主要な国道や省道と接続しています。以下に主な接続路線をまとめます。

上海市
G204国道
G312国道
G318国道
浙江省
G104国道（杭州市）
G329国道（杭州市）
G330国道（建徳市寿昌鎮）
G205国道（衢州市常山県）
江西省
G206国道（鷹潭市月湖区）
G316国道（南昌市進賢県張公鎮から南昌市まで重複）
G105国道（南昌市南昌県から南昌市まで重複）
G319国道（萍郷市安源区）
湖南省
G106国道（株洲市醴陵市）
G107国道（湘潭市岳塘区昭山鎮）
G207国道（邵陽市）
G209国道（懐化市中方県から懐化市鶴城区まで重複）
貴州省
G210国道（黔東南ミャオ族トン族自治州麻江県から貴陽市まで重複）
G321国道（黔東南ミャオ族トン族自治州麻江県から貴陽市まで重複、G210国道と共に重複区間）
雲南省
G326国道（曲靖市沾益区から曲靖市麒麟区まで重複）
G108国道（昆明市）
G213国道（昆明市）
G324国道（昆明市）
S218省道（元G226国道）（楚雄市）
G214国道（弥渡県新街鎮から大理市まで重複）
ミャンマー
ミャンマー国道3号線（瑞麗市）

道路の安全性

G320国道には、一部区間で注意が必要な場所も存在します。特に、萍郷市湘東区の黄花橋区間は交通事故が多発しており、「魔鬼地帯」と呼ばれるほどです。この区間は、国家安全生産監督管理局によって中国全土の29箇所の危険な道路の一つに指定されています。

関連事項

G320国道に関連する項目として、以下のものが挙げられます。

中国の国道
ビルマ公路（滇緬公路の別名）
滇緬線（滇緬公路を指す場合もある）
滬昆高速道路
滬瑞高速道路

G320国道は、中国の広大な国土を横断する重要な交通インフラであり、その歴史、ルート、接続路線、安全性について理解することは、この道路が地域社会と経済に与える影響を把握する上で不可欠です。

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