GAMERA -Rebirth-

GAMERA -Rebirth-（ガメラリバース）

『GAMERA -Rebirth-』は、ENGIが制作し、Netflixで配信されている日本のアニメシリーズです。2023年9月7日に配信が開始され、2025年4月からはNHK総合テレビジョンでの地上波放送も予定されています。

作品解説

本作は、ガメラシリーズとしては初のアニメ作品であり（未制作作品を除く）、1989年の夏を舞台に、ガメラが他の怪獣たちと戦う様子を4人の少年たちが目撃する物語です。1989年という時代設定は、「昭和と平成の中間」という意味合いを持たせています。

また、ギャオス以外の昭和の敵怪獣がシリーズ本編に登場するのは、大映の倒産によって1971年の『ガメラ対深海怪獣ジグラ』でシリーズが中断して以来となります。『ガメラマーチ』の使用も同作以来です。

ガメラとギャオスのデザインは、2015年に公開されたシリーズ50周年記念映像をベースに、新たな要素が加えられています。石井克人もガメラのオリジナルデザイナーとしてクレジットされています。第1話では、ガメラが小型ギャオスの群れを火焔弾で撃墜するシーンがあり、これも記念映像を踏襲したものです。

本作では、怪獣の能力や描写、人間のキャラクター、ストーリー面、戦闘シーンの細部に至るまで、過去のシリーズ作品へのオマージュが意識されています。昭和シリーズを中心に、全作品のガメラの要素が盛り込まれています。例えば、第6話の舞台である石垣島・崎枝半島に灯台が登場するのは、『大怪獣ガメラ』を意識した描写です。

また、『ガメラ大怪獣空中決戦』の最初期の原案は、小中千昭・小中和哉・岡田恵和が担当しており、小中兄弟によるものは『怪獣大奮戦ダイゴロウ対ゴリアス』に構想が類似しているとされています。その後、『小さき勇者たち〜ガメラ〜』、『デジモンテイマーズ』、『ウルトラマンティガ』に再利用されていますが、本作にも小中兄弟の原案との類似性が見られます。その他にも、『小さき勇者たち〜ガメラ〜』と本作には世界観上の類似点が散見されます。

戦闘シーンの描写では、制作コストの観点から市街地などでの戦闘を減らしていますが、「人類の守護者であるガメラによる犠牲者を出さない」という方針を重視しています。第1話でガメラが着陸したビル群は避難が完了しており、第1話で大型ギャオスを火焔弾で撃破する際に昭和記念公園に、第2話で大型ジャイガーを燼滅手で撃破した際に多摩川の河川敷に投げているのもこの方針の影響です。

平成ガメラ三部作を監督した金子修介は、本作の制作が進行している最中に自身の新たな構想をKADOKAWAに提示していました。その後、『ゴジラ-1.0』のインタビューにて、山崎貴からガメラの新作への展望を質問され、本作（GAMERA -Rebirth-）に軽く触れた後、「ガメラが真珠湾を襲う」というアイディアに言及しています。

この他にも、ゲームアプリ『ゴジラバトルライン』で「ゴジラシリーズ」とのコラボレーションが実現しています。

シリーズ化の構想

主に予算面の事情から、本作のクオリティーと成績が低下した可能性が指摘されています。瀬下寛之は、当初は完成版の2倍の戦闘シーンを用意していましたが、制作の都合上で削らざるを得なかったと述べています。また、怪獣の戦闘シーンを全話に導入すること自体が予算的にかなり無茶であったとしています。

一方で瀬下達は続編の制作を希望しており、実写化への展望にも言及しています。続編が実現すれば「ガメラは何故、自らを犠牲にしてでも命懸けで人間を守るのか」等の多数のキーポイントを明示したり、予算が増加すれば戦闘シーンを増やしたいとコメントしています。シーズン5までの構想があるそうです。

製作

2018年に瀬下寛之が井上伸一郎を筆頭とするKADOKAWAの各関係者と会食した際に、瀬下がポリゴン・ピクチュアズを退職して独立した事を報告するとKADOKAWA側からその場で企画書を提示され、瀬下は即座に快諾したといいます。

ストーリーの構成は、瀬下寛之、猪原健太、瀬古浩司が中心になって行いました。3名は『亜人』と『Levius -レビウス-』でも共同参加しており、この経験が本作の企画を円滑にさせています。

キャラクターデザインについては、（徳間書店時代にガメラシリーズと関係性があった）スタジオジブリの出身であり以前から瀬下作品と（瀬下とも交流がある）新海誠の作品に携わってきた田中直哉と片塰満則の影響でジブリ作品風の趣がありました。

本作に出演した宮野真守、早見沙織、中井和哉などは、瀬下寛之の『GODZILLA』にも出演しており、『ゴジラバトルライン』における本作との公式コラボレーションでは『GODZILLA』に登場した「ゴジラ・アース」がコラボレーション用のキービジュアルなどに選ばれています。

宣伝の一環として、2023年9月に（『ガメラ3 邪神覚醒』の舞台でもあった）渋谷スクランブル交差点での街頭モニタージャックが行われました。

あらすじ

1989年の夏、東京・福生市に突如、怪獣ギャオスの群れが襲来します。ギャオスは廃墟となった街に立ちすくむ小学6年生のボコ、ジョー、ジュンイチ、ブロディに狙いを定めるが、そこにガメラが現れます。

登場人物

ボコ（和多大輝 / わだひろき）

本作品の主人公の一人。正義感が強く、困っている人を見捨てられない性格。ガメラとの精神的な繋がりが深く、物語の重要な鍵を握ります。

ジョー（松田了 / まつださとる）

本作品の主人公の一人。ケンカが強く、頼りになる存在。家庭の事情から大人びた一面も持っています。

ジュンイチ（市原純 / いちはらじゅん）

本作品の主人公の一人。オカルトやSFに詳しいオタク。

ブロディ（ダグラス・ケン・オズボーン）

本作品の主人公の一人。在日米軍司令官の息子で、父親との関係に悩んでいます。

ジェームズ・タザキ

ユースタス財団のエージェント。有能なネゴシエーターですが、財団に不信感を抱いています。

エミコ・メルキオリ

ユースタス財団の科学者で、タザキの助手。

佐々木宗篤

陸上自衛隊の戦車大隊長。物静かな人物ですが、「悪事」に敏感です。

江夏美緒

佐々木の副官。

東伏見篤史

現職の官房長官。

和多藍子

ボコの母親で、大手広告代理店で働くコピーライター。

レイモンド・オズボーン

ブロディの父親で、極東米軍福生基地の司令官。

ユースタス財団評議会

同財団の幹部。国際連合にも強い影響力を持つ。

バーニー・ドーソン

ユースタス財団の科学者。

鈴木博士・松井博士

東伏見によって石垣島に召集された医療関係者たち。

登場怪獣

ガメラ
ギャオス・エスギャオス
ジャイガー
ジグラ
ギロン
バイラス

スタッフ

原作: KADOKAWA
原案・監督: 瀬下寛之
アニメーション制作: ENGI

主題歌

WANIMA「夏暁」
* WANIMA「FLY & DIVE」

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