HOUSE OF TORTURE

HOUSE OF TORTURE（ハウス・オブ・トーチャー）

HOUSE OF TORTUREは、新日本プロレスで活動するヒールユニットです。かつては巨大なヒール軍団であるBULLET CLUBの内部ユニット、および主要なタッグチームとして機能していました。

結成の経緯

ユニットの始まりは2021年夏に遡ります。当時CHAOSに所属し、若手時代からSHOとのタッグで活躍していたYOHでしたが、同年のSUPER Jr. TAG LEAGUEにおいて不調が続き、SHOはYOHへの不満を募らせていました。8月16日、公式戦終了後、SHOは突如YOHを襲撃し、長年組んできたタッグを解消。決別のシングルマッチが9月4日のメットライフドーム大会で実現しました。

この一戦でSHOは、イス攻撃や急所攻撃といったあらゆるラフファイトを駆使してYOHから勝利を収めます。試合後、リング上にはEVIL、高橋裕二郎、ディック東郷が現れ、彼らが見守る前でSHOはBULLET CLUBのTシャツに袖を通し、加入を表明。試合後のバックステージで、リーダー格のEVILは新グループの名称がHOUSE OF TORTURE（拷問の館）となることを発表しました。

ユニットの特徴

HOUSE OF TORTUREの最も顕著な特徴は、その徹底した反則行為と凶器の使用にあります。高橋裕二郎のケイン、SHOのトーチャーツール、成田蓮のプッシュアップバー、ディック東郷のスポイラーズチョーカー、そして金丸義信のウイスキーなど、メンバーの多くが試合中に凶器を持ち出し、攻撃に利用します。また、急所攻撃や、他の選手の試合への乱入も頻繁に行われ、会場の照明を操作して試合を妨害するといった悪質な戦術も用います。

BULLET CLUB全体の中でも、HOUSE OF TORTUREの反則行為や手段を選ばない戦法は特に目立っており、彼らのファイトスタイルは他のBCメンバーから指摘や批判を受けることも少なくありませんでした。

結成以降、HOUSE OF TORTUREは他のBULLET CLUBメンバー、特に外国人選手との共闘が少なく、ユニット単体で行動することがほとんどでした。BULLET CLUB同門対決においても容赦なく反則を仕掛けたり、強引に勝利を要求したりするなど、彼らは事実上BULLET CLUBに属しながらも、独立し、あるいは孤立した立ち位置にありました。

WAR DOGSとの対立、BULLET CLUB追放

BULLET CLUB内での独立した立場と、度重なる反則行為から批判を受けることの多かったHOUSE OF TORTUREは、特にWAR DOGSとの関係が悪化します。WAR DOGSのデビッド・フィンレーやゲイブ・キッドはHOUSE OF TORTUREを公然と批判しており、両者の間の遺恨は2023年のG1 CLIMAXでのデビッド・フィンレー対EVILの試合を契機に深まっていきました。互いに共闘する意思はなく、一種の冷戦状態が続きました。

この関係が決定的に破綻したのは、2025年2月11日の大阪大会での出来事です。辻陽太とゲイブ・キッドのIWGP GLOBALヘビー級選手権試合が両者KOとなった直後、HOUSE OF TORTUREが乱入し、辻選手だけでなく、ゲイブ選手、そして解説席にいたクラーク・コナーズ選手にも暴行を加えました。この場でEVILは一方的にWAR DOGSのBULLET CLUBからの追放を宣言。これにより、両ユニットは明確な内紛状態に突入しました。

同年3月のNEW JAPAN CUPシリーズからは、両ユニットの対戦カードが連日のように組まれ、抗争は激化の一途を辿りました。そして、同年5月3日の福岡国際センター大会で、「ドッグパウンドケージマッチ 〜Losers Leave BULLET CLUB〜」が実施されることが決定。敗者チームがBULLET CLUBを追放されるという、ユニットの存続をかけた過酷な条件が課せられました。

試合は開始直後から凶器が飛び交う壮絶な乱戦となりましたが、最終的にHOUSE OF TORTUREが敗北。BULLET CLUBからの完全追放という結果に終わりました。

主な動向とタイトル歴

HOUSE OF TORTUREは結成以降、新日本プロレスの各階級で存在感を示してきました。2021年11月にはEVIL、高橋裕二郎、SHO組でNEVER無差別級6人タッグ王座を獲得し、王者チームの連続防衛記録を阻止。2022年にはEVILがNEVER無差別級王座を、SHOがKOPW2023やIWGPジュニアヘビー級王座を獲得しています。また、成田蓮もNJPW WORLD認定TV王座を獲得するなど、メンバーは個々でも実績を残しています。

特にメンバーの出入りも特徴的で、2023年9月には金丸義信がJust 5 Guysを裏切って加入。同年12月には成田蓮が海野翔太を裏切り加入しました。一方で、短期間の加入に終わったビショップ・カーンとトーア・リオナ、AEWへ復帰したジャック・ペリーのような離脱もありました。

BULLET CLUB追放後もユニットは活動を続け、2025年1月には成田蓮、高橋裕二郎、SHO組でNEVER無差別級6人タッグ王座を再獲得。同年6月15日には、ドン・ファレ（元バッドラック・ファレ）、チェーズ・オーエンズ、そしてJust 4 Guysを離脱したDOUKIが立て続けに加入し、戦力補強を図っています。

メンバー

EVIL（リーダー）
高橋裕二郎
SHO
ディック東郷
金丸義信
成田蓮
SANADA（2025年4月5日 - ）
ドン・ファレ
チェーズ・オーエンズ
DOUKI

元メンバー

ビショップ・カーン
トーア・リオナ
ジャック・ペリー

獲得タイトル

EVIL
NEVER無差別級王座（第35代、第43代）
EVIL & 高橋裕二郎 & SHO
NEVER無差別級6人タッグ王座（第22代、第24代）
SHO
KOPW2023（第3代）
IWGPジュニアヘビー級王座（第95代）
成田蓮
NJPW WORLD認定TV王座（第6代）
成田蓮 & 高橋裕二郎 & SHO
NEVER無差別級6人タッグ王座（第30代）

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