He 59 (航空機)

He 59の概要

He 59は、ドイツのハインケル社によって開発された双発の偵察機及び雷撃機です。この機体は、1930年にドイツ海軍からの要請を受けて開発が始まり、1931年に初飛行を果たしました。特徴的なのは、その双発複葉の設計であり、初期の試作機では1号機が陸上型、2号機が水上型として作られました。試験の結果、ドイツ海軍は水上機を哨戒爆撃機として採用し、以降の生産の多くはこの水上型に集中しました。

この機体の構造は、胴体部分が鋼管フレームに羽布や合板を張り、主翼は木製の桁に金属製の内翼と羽布張りの外翼を有するという形です。エンジンは上下の翼の間に取り付けられ、4枚羽の固定ピッチプロペラを装備していました。

運用と役割

1934年の夏、ドイツ海軍は非武装型のHe 59を民間飛行学校に見せかけて14機配備しました。その後、ドイツが再軍備を始めると、武装型が沿岸飛行隊に投入されました。また、スペイン内戦では、ドイツの義勇軍であるコンドル軍団の一員として活動し、船舶や港湾施設を攻撃しました。内戦が終わると、3機がスペイン海軍に供与されました。

退役後は、海難救助機としての運用が行われました。鈍足でありながらも、旧式のこの機体は航空機乗員の救助に貢献し、各地で活躍しました。

スペック

He 59の主要なスペック（He 59B-2版）：

• - 全長: 17.40 m
• - 全幅: 23.70 m
• - 全高: 7.10 m
• - 全備重量: 9,100 kg
• - エンジン: BMW VI 6.0 ZU 水冷V型12気筒（660 hp/1,650 rpm）× 2
• - 最大速度: 209 km/h（高度1,000 m）
• - 上限高度: 3,500 m
• - 航続距離: 1,750 km

武装

• - MG15 7.92 mm 機銃 × 2（機首・胴体）
• - 爆弾 700 kg（胴体爆弾倉）または魚雷 × 1（下面）

乗員

この機体を運用するには、4名の乗員が必要です。

以上がHe 59の基本情報です。本機は多用途型としての特性を持ち、戦間期や第二次世界大戦初期において重要な役割を果たしました。

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