IDVD

iDVDは、かつてAppleのiLifeスイートに含まれていた、Mac OS X向けのDVDオーサリングソフトウェアです。QuickTimeに対応した動画を、DVDプレーヤーで再生できるDVD-Video形式にエンコードすることが主な機能でした。

概要

iDVDは、豊富なテンプレートを備えており、市販のDVDのような高品質なディスクを作成できました。アニメーションメニューや、ディスク挿入時に表示されるオープニングムービーの設定などが容易に行えます。また、背景に静止画や動画を追加したり、動画にサムネイルを設定したりすることも可能です。静止画をスライドショーとして保存し、DVDのリモコンで操作することもできました。

DVDをコンピュータに読み込ませた場合、画像ビューアでフルサイズの静止画を閲覧したり、追加のコンテンツを収録することも可能です（ただし、これらの追加コンテンツは通常のDVDプレーヤーでは再生できません）。動画形式はNTSCとPALに対応しており、作成するDVDの形式に合わせて切り替えられます（ただし、元の動画形式の変換はできません）。

iDVDは、あくまでホームビデオやテレビ録画、静止画のスライドショーなどをDVDに保存する、ホームユースを前提としたソフトウェアです。そのため、市販のDVDのようにリージョンコードの設定、複数オーディオトラックの収録、字幕の追加、マルチアングル対応といった機能は搭載されていません。作成できるのはDVD-Video形式のみで、VRモードのDVDやBlu-ray Discの作成には対応していません。

最新版はiLife '11にバンドルされていたバージョン7.1.2ですが、32ビットアプリケーションであるため、macOS Catalina 10.15以降では正常に動作しません。

関連ソフトウェア

iMovieやFinal Cutシリーズで編集した動画にチャプターマーカーを書き込んで保存すると、iDVDはチャプターマーカーに基づいて自動的にチャプターメニューを作成します。そのため、iMovieやFinal Cutシリーズと組み合わせて使用されることが多く、iTunesの音楽をBGMとして使用したり、iPhotoの写真素材を背景やスライドショーに利用することもできました。

関連項目

iLife
iMovie
iPhoto
iTunes
Final Cut
Final Cut Studio
Final Cut Pro
DVD Studio Pro
* Final Cut Express

もう一度検索