IDisk

iDiskは、かつてAppleが提供していた有料オンラインサービスMobileMe（旧称.Mac）の一部として提供されていたオンラインストレージサービスです。当初は「iTools」という名称の無料サービスとして2000年1月に開始されましたが、2002年7月に有料化され、MobileMeへと移行しました。

iDiskの主な特徴は、WebDAV（当初はAFP over TCP）プロトコルを使用していた点です。これにより、Mac OSのFinderを通じて、ローカルディスクと同様にファイルの移動や削除が直感的に行えました。また、フォルダごとにパスワードを設定して共有することも可能で、ファイルの共有や共同作業にも活用できました。Windows環境においても、ブラウザ経由または専用のユーティリティソフト「iDisk Utility for Windows」を利用することで、ファイルのアップロードとダウンロードが可能でした。

iDiskのストレージ容量は、電子メールサービス（IMAP、POP、Web）と共有されており、ユーザーは設定によって容量の配分を調整できました。また、必要に応じて追加のストレージ容量を有料で拡張することもできました。

しかし、iDiskのサービスは2012年6月30日に、iCloudへの移行に伴い終了しました。その後、Appleによる同様のオンラインストレージサービスは、iCloud Driveが2014年に開始されるまで提供されませんでした。これにより、ユーザーは一時的にオンラインストレージサービスの代替を探す必要がありました。

iDiskの歴史

2000年1月：無料サービス「iTools」としてサービス開始。この時点でのiDiskの容量は25MBでした。
2002年7月18日：サービスが有料化され、「.Mac」へと名称変更。同時に、iDiskの容量は100MBに拡張されました。
2004年9月30日：サービス内容が改定され、iDiskの容量は250MBに拡張（オプションで最大1GBまで拡張可能）。
2005年9月20日：サービス内容が改定され、iDiskの容量は1GBに拡張（オプションで最大4GBまで拡張可能）。
2007年8月7日：サービス内容が改定され、iDiskの容量は10GBに拡張（オプションで最大20GBまで拡張可能）。
2008年7月11日：サービス内容が改定され、iDiskの容量は20GBに拡張（オプションで最大60GBまで拡張可能）。

iDiskは、Appleユーザーにとって便利なオンラインストレージサービスでしたが、iCloudへの移行とともにその役割を終えました。しかし、その使いやすさや利便性は、その後のオンラインストレージサービスに大きな影響を与えました。

関連項目

Backup (ソフトウェア)

外部リンク

iDisk（日本語）
* iDisk（英語）

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