JR東日本EV-E301系電車

EV-E301系電車「ACCUM」の特徴と運用概要

EV-E301系電車は、東日本旅客鉄道（JR東日本）が開発した蓄電池駆動の電車で、「ACCUM」という愛称で知られています。この電車は、特に直流用の一般型電動車として設計されており、2014年3月15日のダイヤ改正から運用を開始しました。主に老朽化が進んでいた烏山線のキハ40系を置き換える目的で導入されました。さらに、EV-E301系はJRグループにおける初の蓄電池動車でもあり、鉄道友の会からのローレル賞を受賞しています。

車両の構造

車体

車体は、総合車両製作所が開発したステンレス製の「sustina」を採用しています。この車体デザインは、前面非貫通構造で、前面には前部標識灯と3色LED表示装置が装備されており、運転室は事故時の衝撃から乗務員を守るために強化されています。また、ワンマン運転を考慮した構造になっており、運賃箱、室内確認ミラー、ワンマン操作器などを設けています。両側面には3つの扉があり、ホームの高さに合わせた設計がなされています。

車内

客室内装にはユニバーサルデザインが取り入れられ、バリアフリーの配慮がなされています。照明はLEDが使用され、全席ロングシート形式となり、快適な乗車環境を提供しています。さらに、車両には故障を防ぐための情報表示装置が設置されており、連結面側には車両の電気系統に関する情報が確認できるディスプレイがあります。なお、トイレは設置されていません。

電源と制御機器

EV-E301系電車は、架線から得られる直流1,500VをDC-DCコンバータで630Vに変換し、その後VVVFインバータで三相交流に変換して主電動機を制御します。この一体形の電力変換装置は三菱電機によって製造されています。蓄電池はリチウムイオンで構成され、非電化区間ではこの蓄電池を使用して走行します。電化区間ではパンタグラフを利用して蓄電池を充電する仕組みで、運行の効率を向上させています。

台車

台車は、軽量なボルスタレス設計が採用されており、主電動台車はDT79形、付随台車はTR255D形となっています。これにより、軽快な走行性能と安定性が確保されています。

運用と編成構成

EV-E301系は、2両編成で運転され、各先頭車両はEV-E300形とEV-E301形に分かれています。両先頭車ともに主回路用の蓄電池を装備し、集電設備も設計されています。充電は烏山線上の複数の区間で行われ、運行最高速度は65 km/hです。

最初の運用は宇都宮駅と烏山駅間で、これに続いて宝積寺駅との往復も行われています。EV-E301系の導入により、旧型気動車の全てが置き換えられ、環境にやさしい鉄道運行が進められています。運用の拡大により、地域交通の活性化にも貢献しています。

まとめ

EV-E301系電車は、環境への配慮と鉄道の効率化を両立させた革新的な蓄電池駆動電車です。今後もこの先進的な技術を活かし、より良い公共交通の提供が期待されています。

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