JR貨物U55A形コンテナ

U55A形コンテナの概要

U55A形コンテナは、日本貨物鉄道（JR貨物）が運用する私有の31フィート（約9.4メートル）の有蓋コンテナです。このコンテナは、主に普通品を運ぶことを目的としており、その設計にあたっては厳密に決められた容積に基づいています。具体的には、容積は55立方メートルとされており、実際の内容積は54.5立方メートルから55.4立方メートルの間に収まるように設定されています。また、型式の末尾にあるアルファベット「A」は、輸送目的が普通品であることを示しています。

トヨタ・ロングパス・エクスプレス

2006年からはトヨタ自動車が自動車部品専用の輸送列車「トヨタ・ロングパス・エクスプレス」を運行しています。この専用列車は、名古屋南貨物駅発から盛岡貨物ターミナル駅着となっており、日本通運が荷役管理を担当しています。トヨタの「ジャストインタイム」生産方式により、在庫をできる限り減らし、流動資産を最小限に抑えることが求められています。このため、コンテナの設計には荷役時間の短縮や効率化が重視され、両側にフルウイング開きを採用しています。

各番台の特性

39500番台

39500番台は、39501番から39950番までの450両が、日本通運の所有となっています。このコンテナは、日通商事によって製造され、片妻側と両側フルウイング開きの三方開き構造が採用されています。全高は2,800 mm、全長は9,410 mmで、総重量は14.5tです。この番台は特に「トヨタ・ロングパス・エクスプレス」に配備され、両側に「TOYOTA」の文字が大きく印刷されています。また、積載される貨物によってはコキ50000形への積載が禁止されており、フォークポケットは空荷時のみ使用可能です。

39951番台

39951番から39966番までの16両は、日本梱包運輸倉庫の所有です。こちらも規格外のハローマークが付いており、全高は2,790 mm、全長は9,410 mm、総重量は15.5tです。39951番だけはロゴマークが施されていない点が特徴で、2019年頃には39963番から39966番の増備も行われました。コキ50000形には積載できない仕様です。

139501番台

139501番から139810番までの310両は、再び日本通運によって所有されています。日通商事が製造したこの番台も、片妻側と両側フルウイング開きの三方開き構造を持ち、同じく規格外のハローマークが付与されています。特筆すべきは、老朽化した従来のコンテナの更新を目的としながら、この新しいコンテナには「TOYOTA」の文字がなく、代わりに「55 BIG ECO LINER 31」という表記がされていることです。全高は2,800 mm、全長は9,410 mm、総重量は14.5tです。こちらもコキ50000形への積載は禁止され、架線下でのトップリフターによる荷役も禁止されています。

参考文献

• - 貨車技術発達史編纂委員会『日本の貨車-技術発達史-』（初版）日本鉄道車輌工業会、2008年3月1日。
• - 『トラベルMOOK 新しい貨物列車の世界』交通新聞社、2021年。ISBN 978-4-330-05421-6。

日本貨物鉄道が誇るU55A形コンテナは、効率的な輸送を実現するための重要な役割を果たしています。

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