K2-18

K2-18

K2-18、またはEPIC 201912552は、しし座の方向、約124光年彼方に位置する赤色矮星です。この恒星の周りには、少なくとも2つの太陽系外惑星、K2-18bとK2-18cが存在します。特にK2-18bは、K2-18のハビタブルゾーン内に位置していることで注目を集めています。

K2-18の特徴

K2-18は、比較的活動的なM型主系列星で、スペクトル型はM2.5 Vに分類されます。その大きさは太陽の約41%、質量は約36%と推定され、表面温度は約3,457Kです。自転周期は約40日とされています。

惑星系

K2-18を周回する2つの惑星は、どちらも地球よりもかなり質量が大きく、約8-9倍の質量を持ち、スーパー・アースに分類されます。

K2-18b

K2-18bは、ケプラー宇宙望遠鏡の延長ミッションである“K2”の観測によって2015年に発見されました。これは、トランジット法を用いて発見された17個の系外惑星のうちの1つです。K2-18bの公転周期は約33日で、中心星からの距離は約0.143AUです。表面の平衡温度は235Kから284Kと推定されており、液体の水を保持できる可能性のある惑星と考えられています。

2019年9月11日には、ハッブル宇宙望遠鏡による観測で、K2-18bの大気に水蒸気が含まれていることが発表されました。ハビタブルゾーンに位置する惑星の大気から水が検出されたのはこれが初めてであり、K2-18bに生命が存在する可能性を示唆するものとして大きな話題となりました。現時点では、生命が存在する可能性が最も高い系外惑星の一つと言えるでしょう。今後のジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡や欧州宇宙機関のARIEL計画など、次世代宇宙望遠鏡による観測によって、大気の詳細な特徴が明らかになり、生命由来の成分の有無を確認できると期待されています。

K2-18c

2017年には、ラ・シヤ天文台の高精度視線速度系外惑星探査装置による観測で、K2-18bよりも中心星に近い位置を約9日の周期で公転する別の惑星、K2-18cが発見されました。K2-18の光度曲線を改めて調べた結果、K2-18cはトランジットを起こしていないことが判明し、K2-18bと公転面が一致していないことが示唆されました。しかし、軌道傾斜角の差はわずか2度程度であり、力学的に安定な状態であると考えられています。

関連項目

WASP-39
しし座の恒星の一覧

外部リンク

K2-18 - NASA Exoplanet Archive
Planet K2-18 b - Extrasolar Planets Encyclopaedia
Planet K2-18 c - Extrasolar Planets Encyclopaedia
K2-18 - EXOKyoto
K2-18 - Wikisky: DSS2、SDSS、GALEX、IRAS、Hα、X線、天体写真、天体地図、記事と写真
系外惑星で水を確認　暑すぎない大気で生命存在も - ナショナルジオグラフィック
太陽系外の地球型惑星で「水」を初確認＝英大学研究チーム - BBC
地球型惑星に水蒸気 存在を初めて確認 - AFPBB

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