KLセントラル駅

KLセントラル駅：クアラルンプールの交通大動脈

KLセントラル駅は、マレーシアの首都クアラルンプールに位置する、鉄道、モノレール、空港連絡鉄道など複数の路線が乗り入れる巨大なターミナル駅です。その規模は東南アジア最大級で、クアラルンプールの交通網における中心的な役割を担っています。

概要

2001年に開業したKLセントラル駅は、クアラルンプール市街地南部の再開発地区に建設されました。この駅の開業に伴い、それまで中央駅としての役割を担っていたクアラルンプール駅は、その役割を譲ることになりました。

KLセントラル駅は、クアラルンプール国際空港（KLIA）への直通鉄道（KLIAエクスプレス、KLIAトランジット）の発着駅であり、空港コード「XKL」も割り当てられています。かつては、マレーシア航空やキャセイパシフィック航空、マリンド・エアのチェックインカウンターが設けられていましたが、現在は利用されていません。また、入国時の税関審査や荷物受け取りサービスも計画されましたが、保安上の理由から実施には至っていません。

利用可能な鉄道路線

KLセントラル駅には、以下の多岐にわたる鉄道路線が乗り入れています。

マレーシア鉄道公社（KTM）
ウエスト・コースト線（KTMインターシティ）
スレンバン線（KTMコミューター）
ポート・クラン線（KTMコミューター）
スカイパーク・リンク
ラピドKL
クラナ・ジャヤ線
KLモノレール
エクスプレス・レール・リンク（ERL）
KLIAエクスプレス
KLIAトランジット

これらの路線を利用することで、クアラルンプール市内だけでなく、郊外や空港へのアクセスも非常に便利になっています。

歴史

KLセントラル駅は、以下の歴史を経て発展してきました。

1994年：計画が決定
2001年4月16日：開業。KTMコミューター（スレンバン線、ポート・クラン線）、クラナ・ジャヤ線の乗り入れ開始
2002年4月14日：KLIAエクスプレスの乗り入れ開始
2002年6月24日：KLIAトランジットの乗り入れ開始
2003年8月31日：KLモノレールの駅が開業
2010年8月12日：ETS（高速鉄道）の運行開始、KLセントラル駅は停車駅となる
2018年5月1日：スカイパーク・リンクの乗り入れ開始

駅構造

KLセントラル駅の駅舎は、マレーシア鉄道公社、ERL、ラピドKLクラナ・ジャヤ線の合同駅舎とKLモノレールの駅舎に分かれています。

マレーシア鉄道公社・ERL・ラピドKL（クラナ・ジャヤ線）

駅舎は、クアラルンプール国際空港と同じく、建築家の黒川紀章氏が設計を担当しました。駅構内の案内板には、マレー語、英語に加えて日本語も表示されています。

コンコースは2階と3階に分かれており、KTMウエスト・コースト線（KTMインターシティ）は3階、その他の路線は2階に改札口があります。プラットフォームは、クラナ・ジャヤ線のみ3階にあり、2階コンコースを突き抜ける構造になっています。その他の路線は1階（地上階）に位置しています。

各路線のホーム面数と線路数は、KTMインターシティとスカイパーク・リンクが1面2線、KTMコミューター（スレンバン線、ポート・クラン線）が2面4線、クラナ・ジャヤ線が2面2線、ERL（KLIAエクスプレス、KLIAトランジット）が3面4線で、合計8面12線を有しています。

駅構内には、コンビニエンスストア、ファストフードレストラン、カフェ、両替商、ATM、観光案内所など、様々な施設が設けられています。また、連絡通路やエスカレーターを通じて、ショッピングモール、ホテル、オフィスビルと直結しており、利便性に優れています。

KLモノレール

KLモノレールの駅舎は、他の路線とは独立しており、ショッピングモール「NU Sentral」を経由してアクセスすることができます。以前は駅舎外での地上乗り換えが必要でしたが、ショッピングモールの整備に伴い、連絡通路を含む新駅舎が2014年に供用開始されました。

プラットフォームは2面1線構造で、乗車ホームと降車ホームが分離されており、ハーフハイトタイプのホームドアが設置されています。

駅周辺

KLセントラル駅周辺は大規模な再開発が行われ、AからNまでのエリアに分けられて開発が進められ、2015年に全ての建設が完了しました。

駅周辺には、以下のような施設があります。

NU Sentral（ショッピングセンター）
ヒルトン・クアラルンプール（ホテル）
ル・メリディアン・クアラルンプール（ホテル）
セント・レジス・クアラルンプール（ホテル）
アロフト・クアラルンプール（ホテル）
国立博物館
CIMB（銀行）
UEMグループ本社
Axiataオフィス

バス路線

KLセントラル駅からは、クアラルンプール市内各方面へのバス路線も充実しています。

隣の駅

KLセントラル駅に隣接する駅は、路線によって異なります。

KTMインターシティ：クアラルンプール駅（西側）、バンダル・タシッ・スラタン駅（東側）
KTMコミューター：クアラルンプール駅（西側）、ミッドバレー駅（スレンバン線）、アブドゥラ・フクム駅（ポートクラン線）
スカイパーク・リンク：スバン・ジャヤ駅
クラナ・ジャヤ線：パサール・スニ駅、バンサー駅
KLモノレール：トゥン・サンバンタン駅
KLIAエクスプレス：KLIA駅
KLIAトランジット：バンダル・タシッ・スラタン駅

KLセントラル駅は、クアラルンプールの交通網における重要な結節点であり、多様な交通手段が利用できる便利な駅です。旅行やビジネスでクアラルンプールを訪れる際には、ぜひ活用してください。

もう一度検索