Kouichi

Kouichi：独創的なサウンドを追求するギタリスト

Kouichi（コウイチ）は、1970年8月3日、三重県に生まれた日本の音楽家です。ギタリストを主軸に、ボーカリスト、そして作曲家としても多岐にわたる才能を発揮しています。O型。

音楽キャリアの軌跡

彼の音楽活動は1989年にバンドVIVIAN LEEで開始されました。当時の音楽性は、ハノイ・ロックスにも通じるエネルギー溢れるものでした。VIVIAN LEEの解散後、1991年10月にはSilver-Roseに加入。約2年半の活動を経て、Silver-Roseが1994年1月に解散すると、同年7月28日には新たな活動の場としてLaputaへ参加します。LaputaはKouichiにとってキャリアにおける重要なバンドとなります。

Laputaは1996年9月30日、シングル「硝子の肖像」で東芝EMIよりメジャーデビューを果たすと、その個性的な音楽性と圧倒的なライブパフォーマンスで大きな注目を集めました。バンドとして活動を続ける中で、合計でシングル11枚、オリジナルアルバム8枚、ミニアルバム3枚もの作品を世に送り出し、多くのファンを魅了しました。しかし、その活動は永遠ではなく、2004年9月5日の渋谷公会堂でのライブをもってLaputaはその歴史に幕を閉じました。

Laputa解散の翌年、2005年1月には自身のソロプロジェクト「Everlasting-K」の始動を発表。同年3月30日には早くも1stミニアルバム『voulez-vouz』をリリースし、新たな一歩を踏み出しました。また、ソロ活動と並行して、2009年5月10日からはボーカリストShauraと共に期間限定ユニット「XOVER」としても活動を展開。作品リリースやライブ活動を行いましたが、2010年1月5日、CLUB CITTA'でのライブをもって活動を休止しています。

作曲スタイルと音楽への向き合い方

Kouichiの作曲においては、まずメロディラインを構築し、その後にコードやリズムを加えていくスタイルを採っていると言います。楽曲制作に対する独自のスタンスとして、「作っている途中に限界が見えてしまうと捨てちゃう」とも語っており、常に最善を追求する姿勢がうかがえます。

影響とリスペクト

自身の音楽的なルーツとして、高校時代にVOW WOWやEARTHSHAKER、ANTHEMといった日本のハードロック・ヘヴィメタルバンドを深く聴き込んでいたことを挙げています。特にVOW WOWはお気に入りのバンドだったそうです。ギタリストとしては、クラシカルな速弾きで知られるイングヴェイ・マルムスティーンや、かつてJUSTY-NASTYで活動した辻剛から大きな影響を受けたと語っています。

その独創的なギタープレイとサウンドメイクは後続のアーティストにも多大な影響を与えており、Sadieのギタリストである剣や、DIAURAのギタリスト佳衣、そしてDのギタリストであるRuizaとHIDE-ZOUといった面々が、彼へのリスペクトを公言しています。特にHIDE-ZOUは彼の熱心なファンであり、多くの関連グッズを所有しているほか、機材選びにおいても彼のセッティングを参考に購入した経験があると語っています。

交友関係

音楽界以外では、プロレスラーのカズ・ハヤシと深い親交があり、Kouichiの楽曲「舌」がカズ・ハヤシの入場テーマ曲として使用された時期もありました。

主な使用機材

KouichiはESPとギターのエンドース契約を結んでいます。彼のサウンドを支える主な機材は以下の通りです。

ギター:
ESP HORIZON: シースルー・ブルーが特徴的なギター。メイプルとマホガニーのボディ、メイプル3ピースネック、エボニー指板。ピックアップはEMG（フロント81、リア89）、フロイドローズトレモロを搭載。コントロールは1ヴォリューム、1トーン、1トグルスイッチ。後にLaputaのベーシストJunjiが所有しました。
PROCEED Kouichi CUSTOM: ESP HORIZONを基に製作されたシースルー・レッドのカスタムモデル。ボディトップ材、シェイプ、カラー、コントロールなどが変更されています。キルテッド・メイプルとマホガニーボディ、メイプル3ピースネック、エボニー指板。EMG 81/89ピックアップ、フロイドローズトレモロという仕様です。
ESP Kouichi CUSTOM (カラス): シースルー・ブラウンのカスタムギター。基本的な仕様はPROCEED Kouichi CUSTOMに似ていますが、ボディ形状が異なります。ロングスケール、ジャンボフレットを採用。ロッキンF誌上での公募により「カラス」と命名されました。
ESP TE: 白いテレキャスタータイプ。アルダーボディにメイプルネックがボルトオン方式で接続されています。ESPオリジナルのピックアップを搭載しており、クリーンサウンド主体の楽曲「Four leaf clover」でのみ使用されました。

エフェクター (Laputa『楽園』レコーディング時):
Fulltone THE '69、KLON Centaur、Big Muff、Dyna Comp、MXR Phase 100、マイクロ・シンセ、Roland RE-501、SMALL CLONEなどを使用。

使用アンプ (Laputa『楽園』レコーディング時 & 2024年Laputa公演時):
MESA/BOOGIE Dual Rectifier、PEAVY 5150、Marshall、ENGL、MATCHLESS、Roland JC20といったアンプが確認されています。近年（2024年9月28日）のLaputa公演ではKemper Profiler PowerHeadとMarshall JCM900 Lead1960Aキャビネットが使用されました。

Everlasting-K：ソロプロジェクト

Laputa解散後の2005年1月に始動したKouichiのソロプロジェクトです。「Everlasting-K」という名前は、「自分が死んだ後でも曲や詞が後世に残り永遠のものになればいい」という思いから“Everlasting”（永遠の）という言葉に出会い、“K”はKouichiの頭文字に由来しています。

プロジェクトを立ち上げた経緯について、Laputa解散で深く落ち込んでいた時期にも、ギターを手に取り曲を作り続けていたことがきっかけになったと語っています。このプロジェクトを通して、「自分はギタリストであり、その上で歌っていることを確認する期間があった」とし、「ギターありきの“Everlasting-K”ではないか」と述べています。

初期は自身の引き出しにないスタイルを追求しましたが、2ndアルバム発表時には「バンドサウンドに戻した」ことで「自分というものを見つけられた」「作っててすごく楽しかったし、自分はこっちだなって」と、バンド形式での活動が自身の核であることを再確認した様子がうかがえます。

主な活動歴として、1stミニアルバム『voulez-vouz』リリースとツアー（2005年）、シングル「Metamorphose」や1stフルアルバム『Calling』リリース、ツアー（2006年）、シングル「CRAZY」「Butterfly」リリースとライブ活動（2006年、2007年）などがあります。ライブでは様々なサポートミュージシャンと共にステージに立っており、過去には利華（元ROUAGE）、酒井愁（元MALICE MIZER|MALICE_MIZERサポート）、KOHTA（PIERROT）、Hitoshi（元Silver-Rose）、酒井麿（元BEE PUBLIC）、黒柳能生（SOPHIA）、ユウイチロー、横山和俊といった実力派ミュージシャンが参加しています。

Kouichiは、自身の確固たるスタイルを持ちつつも常に探求を続けるギタリストであり、その影響は今なお多くの後進に受け継がれています。

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