Listen

Listen（リスン）とは

Listenは、ソニーが2003年11月に発売したコンポーネントシステムのブランド名です。この名前は、1974年にソニーが初めて展開したシステムコンポシリーズでも使用されていました。2003年に登場したListenは、音質やデザインにこだわりを持つ、主に大人のユーザーをターゲットとした高級志向のコンポ、またはマイクロコンポとして展開されました。

製品の特徴

Listenシリーズの主な特徴は以下の通りです。

SACD再生対応: 当時としては珍しかったスーパーオーディオCD（SACD）の再生に対応し、高音質を追求しました。
高品位なデザイン: アルミ押し出し材を使用するなど、高級感のあるデザインを採用しました。
デジタルアンプ: 一部のモデルには、小型化と大出力化を実現したS-Masterデジタルアンプを初めてコンポに搭載しました。
多様なメディア対応: CD-R/RWに記録したMP3やJPEG画像の再生に対応しました。
映像出力: DVDビデオ再生部では、プログレッシブ出力が可能なD端子を装備していました。
MD対応: MDデッキ部にはATRAC／ATRAC3 DSP TYPE-Sを搭載していました。

モデル構成

Listenシリーズには、以下のモデルがありました。

CMT-SE9: SACD/CD、アンプ、NetMD対応MD、カセットの2ボックス構成。6チャンネルのS-Masterデジタルアンプを搭載し、5.1chサラウンドに対応しました。フロントスピーカーにはナノファイントゥイーターが装備されています。
CMT-SE7: SACD/CD、アンプ、NetMD対応MDの1ボックス構成。シルバーとホワイトのカラーバリエーションがあり、それぞれ異なるデザインのスピーカーが付属しました。
CMT-SE3: SACD/CD、アンプの1ボックス構成。木目調の2Wayバスレフ型スピーカーが付属しました。MDやカセットはオプションのMDS-SE9を追加することで利用できました。

ターゲット層と価格

Listenは、音質にこだわりを持つ大人を主なターゲットとしていました。実勢価格は4万円台から9万円台と、当時の単品コンポーネント機器のSACDプレーヤーと比較して廉価な価格設定でした。

マーケティング

テレビCMでは、都会の階段を行き交う群衆の映像と共に「いつのまにか大人になって、いつのまにか音楽のそばにいない」「Adults Only Audio Listen」というキャッチコピーが使用されました。BGMには、シンディ・ローパーの「タイム・アフター・タイム」やMISIAの「つつみ込むように…」が使用されました。

Listenの終焉

Listenシリーズは、2004年初夏にSE3が生産完了となり、2005年頃には全機種が生産完了となりました。後継機種は発売されず、ブランドは終焉しました。この時期は、ハワード・ストリンガーがソニーCEOに就任し、リストラ計画が推進された時期と重なりますが、Listenの生産終了との関連性は不明です。

関連製品と技術

Listenシリーズは、以下のソニー製品や技術と関連性があります。

ミニコンポ: Listenは、ミニコンポの一種として位置づけられます。
NETJUKE/Net MD: ネットワークオーディオ技術やNet MDに対応しています。
SoundGate/SonicStage: デジタルオーディオ技術やソフトウェアと関連があります。
pixy: 同じくソニーのオーディオブランドです。
プレイステーション3: 初期モデルはSACD再生に対応しており、Listenと同様に高音質オーディオを重視していました。
* PSX/QUALIA/Hi-MD: 同時期に発売され、2006年までに展開が停止されたソニー製品です。

Listenは、短期間での終焉となりましたが、当時のオーディオ市場において、高音質を追求したコンポーネントシステムとして一定の存在感を示しました。

もう一度検索