Lotus Symphony

Lotus Symphony（ロータス シンフォニー）とは

Lotus Symphonyは、IBMが2007年にリリースしたオフィススイートです。当初は有償で提供されていましたが、後に無償化され、2013年にApacheソフトウェア財団に寄贈され、開発が終了しました。

このオフィススイートは、ワープロソフトの「Lotus Symphony Documents」、表計算ソフトの「Lotus Symphony Spreadsheets」、プレゼンテーションソフトの「Lotus Symphony Presentation」という3つの主要なアプリケーションで構成されています。これらのアプリケーションは、OpenOffice.orgと同等の機能を備えており、日本語、英語、フランス語、中国語を含む26カ国語に対応していました。

Lotus Symphonyは、OpenOffice.orgとEclipseをベースにIBMが改良を加えた製品であり、プラグイン開発用のキットも提供されていました。これにより、ユーザーは独自の機能を追加したり、既存の機能を拡張したりすることが可能でした。

歴史

IBMは2011年7月14日に、Lotus SymphonyのソースコードをApache OpenOfficeプロジェクトへ寄贈することを発表しました。これは、Lotus Symphonyの開発をApache OpenOfficeコミュニティに委ねるという決定でした。そして2013年初頭には、既存のユーザーに対してIBM版のApache OpenOfficeへの移行が推奨され、Lotus Symphonyの開発は事実上終了しました。

Lotus Symphonyの特徴

Lotus Symphonyには以下のような特徴がありました。

OpenDocument形式のサポート: Lotus Symphonyは、OpenDocument形式（ODF）をサポートしており、異なるオフィススイート間でのドキュメントの相互利用を容易にしていました。
Microsoft Officeとの高い互換性: Microsoft Officeのファイルを開いた際の再現性がOpenOffice.orgよりも高い場合があり、特にレイアウトの崩れが少ないと評価されていました。バージョン1.3以降では、Microsoft Office 2007のファイル形式もインポート可能になり、より幅広いファイル形式に対応していました。
タブ切り替え機能: ブラウザのタブのように、複数のドキュメントをタブで切り替えることができる機能を持っていました。これは、OpenOffice.orgにはない便利な機能でした。

対応OS

Lotus Symphonyは、以下のオペレーティングシステムで動作しました。

Linux
SUSE Linux
Red Hat Enterprise Linux
Ubuntu
Mac OS X
Windows
Windows XP
Windows Vista
Windows 7

開発

バージョン 3.0: 2010年10月21日、OpenOffice.org 3のソースコードをベースにしたバージョン3.0がリリースされました。このバージョンでは、VBAスクリプトとODF 1.2標準、およびOffice 2007 OLEに対応しました。
バージョン 3.0.1: 2012年1月18日には、いくつかのバグ修正を含むバージョン3.0.1がリリースされました。

関連事項

オフィススイートの比較
ロータス (ソフトウェア)
ロータス・スーパーオフィス
OpenOffice.org
Apache OpenOffice
OpenDocumentをサポートするアプリケーションの一覧

外部リンク

IBM Lotus Symphony（英語）
OpenOfficeの世界（1） Lotus Symphony登場

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