M198 155mm榴弾砲

M198 155mm榴弾砲

M198 155mm榴弾砲は、アメリカ合衆国がM114 155mm榴弾砲の後継として開発した中型の牽引式榴弾砲です。同時期に開発されたFH70やTRF1と比較すると、自走用の補助エンジンを持たないため、人力での最終位置調整が必要となります。連射速度もやや低いものの、低コスト、軽量、高い信頼性が特徴です。

概要

M198は、パラシュートによる輸送機からの投下や、CH-47 チヌークやCH-53E スーパースタリオンによる吊り下げ輸送が可能です。このため、アメリカ海兵隊では主力野戦榴弾砲として、4個連隊に配備・運用されています。アメリカ陸軍でも、第18空挺砲兵旅団やストライカー旅団戦闘団といった、軽装で戦略的機動力の高い部隊に配備されています。

湾岸戦争、アフガニスタン戦争、イラク戦争で使用されましたが、現在はM777 155mm榴弾砲への更新が進み、退役が予定されています。

アメリカ以外では、タイ王国陸軍、オーストラリア陸軍、レバノン軍、イラク軍などが採用しています。

諸元・性能

種別：榴弾砲
口径：155mm
砲身長：39.3口径長
重量：7,162kg
全長：11.3m（射撃時）/7.09m（牽引時）
全幅：8.53m（射撃時）/2.79m（牽引時）
全高：1.80m（射撃時）/2.12m（牽引時）
砲員数：11名
砲尾：螺旋式閉鎖機
反動：液気圧式駐退機+2段式マズルブレーキ
砲架：開脚式
俯仰角：-5°~+72°
旋回角：45度
初速：827m/秒
最大射程：18,150m（通常弾）, 30km（RAP弾）
発射速度：4発/分（最大）, 2発/分（持続射撃）
弾薬：砲弾・薬嚢分離装填式（NATO標準規格）
砲弾：M107榴弾など

運用史

開発国：アメリカ合衆国
設計期間：1968年-1977年
生産期間：1979年-
運用者：オーストラリア陸軍、エクアドル陸軍、エルサルバドル陸軍、ホンジュラス陸軍、イラク陸軍、レバノン陸軍、パキスタン陸軍、サウジアラビア陸軍、ソマリア陸軍、タイ陸軍、アメリカ陸軍、アメリカ海兵隊

登場作品

『続・戦国自衛隊』：戦国時代にタイムスリップしたアメリカ海兵隊の装備として登場。大坂の陣で使用され、大阪城周辺の豊臣軍を砲撃します。

参考文献

The International Institute for Strategic Studies (IISS) (2024). The Military Balance 2024. Routledge. ISBN 978-1-032-78004-7.

関連項目

榴弾砲
アメリカ軍の榴弾砲
M114 155mm榴弾砲
M109 155mm自走榴弾砲
M777 155mm榴弾砲
M102 105mm榴弾砲
M119 105mm榴弾砲
M198と同世代の榴弾砲
FH70
TRF1 155mm榴弾砲

外部リンク

イラクにおける米海兵隊の砲撃 - YouTube
FAS.org（英語）

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