M40 (天体)

M40（おおぐま座の二重星）

M40は、約51.7秒角の距離で二重星を形成している天体で、その位置はおおぐま座にあります。この天体は、WNC 4とも同定されており、この見解が支持されています。

概要

M40は1764年にシャルル・メシエによって発見され、その背景には17世紀にヨハネス・ヘヴェリウスが発見した星雲が関連しています。この星雲が位置する領域を観測した際に、二重星としての存在が確認されました。1966年には、アメリカのアマチュア天文家ジョン・マラスによって、M40はフリードリヒ・ヴィネッケによって1863年に発見されたウィンネッケ4といわれるようになり、現在ではSIMBADでもこの見解が受け入れられています。

観測史

M40に関する観測の歴史は長く、最初に記録したのは1660年のヨハネス・ヘヴェリウスでした。その後、1733年にはウィリアム・デラムがこの天体をリストに加え、1792年にはモーペルテュイが続きましたが、その当時は星雲状の天体は認識されていませんでした。メシエは1764年の10月24日から25日にかけてこの場所で二重星を確認し、その後メシエカタログに追加しました。彼は記録の中で、「彼の望遠鏡のうちの6フィート単レンズ屈折望遠鏡では分離が難しかったため、ヘヴェリウスが見誤った星雲と推測される」と述べています。

ヨハン・ボーデはおおぐま座のδ星の近くに星雲に包まれたような重星が存在すると報告しました。しかし、カミーユ・フラマリオンはその位置には星雲も星団もないと指摘し、存在を認めませんでした。スロバキアの天文学者アントニーン・ベチュヴァーシュは、観測において位置のみを示す星表を作成しました。以下は各天文学者による観測位置の修正結果です。

• - ヘヴェリウス (1660年)

- 赤経: 12h 31m
- 赤緯: 58° 27'

• - メシエ (1746年)

- 赤経: 12h 22m
- 赤緯: 58° 5'

• - フラマリオン (1919年)

- 赤経: 12h 24m
- 赤緯: 57° 33'

• - ベチュヴァーシュ (1964年)

- 赤経: 12h 35m
- 赤緯: 58° 13'

こうした観測の経緯を通して、M40はその天文学的な重要性が認められるようになりました。新しい技術の発展により、この二重星に対する理解が深まることを期待されます。

参考文献

• - 中野繁『新編 星雲星団の観測』（第1）恒星社厚生閣、1978年6月15日。ISBN 978-4769900559。

関連項目

• - M73 (天体) - みずがめ座の星群

外部リンク

• - メシエ天体ガイド：M40 - AstroArts

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