MVP (プロレスラー)

MVP（モンテル・ボンタビアス・ポーター）

モンテル・ボンタビアス・ポーター（Montel Vontavious Porter、1973年10月28日 - ）は、アメリカ合衆国フロリダ州マイアミ出身のプロレスラーであり、現在はAEWに所属しています。アフリカ系アメリカ人であり、かつてはモンテル・ボンタビアス・ポーターというリングネームで活躍していました。

来歴

キャリア初期

プロレスデビュー前は非行に走り、15歳で武装強盗により少年院へ送致。その後も武装強盗と誘拐の容疑で、16歳にして大人として裁かれ、9年6ヶ月の刑務所生活を送りました。服役中の態度によっては最長18年となる可能性もあった重い判決でした。この過去のために、日本を含む一部の国への入国が困難であった時期があったと語っています。

2002年に出所後、プロレスラーとしてのキャリアをスタート。アントニオ・バンクスのリングネームで、CCWやXWAなどの団体でヘビー級王座を獲得。TNAのPPVにも出場しました。

WWE

2005年、WWEと育成契約を結び、DSWでトレーニングを開始。「横柄で自己中心的なアスリート」というキャラクター設定が与えられました。

SmackDown!

2006年8月4日、SmackDown!に初登場。当初は女性やボディーガードを従えて入場し、番組GMのセオドア・ロングと契約交渉を行っていました。宝石類の自慢話をするなど、その傲慢な態度から、実況のマイケル・コールや解説のJBLからは「横柄な奴」と評されていました。

同年9月27日、WWEとの契約が正式に発表され、No Mercy 2006でWWEデビュー。マーティー・ガーナーに勝利しましたが、対戦相手のガーナーがWWEと契約していない地元選手だったため、JBLからは「契約金が番組史上最大なのに、こんな試合をするとは失望した」と酷評されました（契約金が番組史上最大というのはギミックです）。

NFLのような膨張式のトンネルから登場し、両手を広げてパイロを出すという派手な入場シーンも特徴的でした。

MVPは「自分の勇気を証明するため」に、より手強い相手との対戦を要求。その結果、RAWから移籍してきたばかりのケインと抗争を開始し、Mr.ケネディやジ・アンダーテイカーも巻き込んだ展開となりました。ストリート・ファイト戦や金網戦では勝利を収めたものの、Armageddon 2006のインフェルノ戦では大火傷を負うというアングルが組まれました。

2007年4月1日のWrestleMania 23では、クリス・ベノワとのUS王座戦に挑むも敗北。しかし、5月のジャッジメント・デイで再びベノワに挑戦し、US王座を奪取しました。その後、マット・ハーディーとの抗争が始まりましたが、「心臓の病気」（一部事実）を理由に、スキットへの参加が中心となり、激しい試合は控えるようになりました。9月にはGM室で「次に入ってきた奴とタッグを組んでタッグ王座戦に出る」と宣言したところ、犬猿の仲であるマット・ハーディーが入室。嫌々ながら組んだタッグでWWEタッグ王座を獲得しました。しかし、王座から転落するとすぐにマットを裏切り、US王座を巡って再び抗争が始まることになりましたが、マットが盲腸炎で長期離脱したため、抗争は中断されました。

2008年 - 2010年

2008年1月にはレイ・ミステリオとの間で短期間の抗争を行い、US王座を防衛。2月には、ロイヤルランブルに出場し、リック・フレアーとの「キャリア・スレットニング・マッチ」で敗北。3月には、レッスルマニア24の世界ヘビー級王座戦出場をかけたエリミネーション・チェンバー・マッチに出場するも、最初に脱落。4月には、レッスルマニア24のマネー・イン・ザ・バンク・ラダー・マッチに初出場するも、マット・ハーディーの妨害により権利獲得を逃しました。その後、マットとの抗争を再開し、バックラッシュでUS王座を奪われました。

その後は、RAWからSmackDown!に移籍してきたマットの実弟、ジェフ・ハーディーとの抗争を開始。ジェフの試合に乱入し、ドライブバイキックを浴びせるなど、観客の反感を買いました。サマースラムではハーディーに勝利しました。

2008年中盤から連敗が続き、ついには契約金を返上させられる事態に。ハリケーン・ヘルムズの復帰戦や新人選手のデビュー戦でも敗北し、カン・フー・ナキにまで敗れるという屈辱を味わいました。連敗は2009年に入っても続きましたが、トリプルHのロイヤルランブル出場を賭けたビッグ・ショーとのラストマン・スタンディング・マッチで、トリプルHの介入もあり勝利し、連敗を脱出。その後はベビーターンし、レッスルマニア25でのマネー・イン・ザ・バンク・ラダー・マッチへの出場を決めました。3月17日のスマックダウンではシェルトン・ベンジャミンを下し、二度目のUS王座を獲得。RAWへの移籍後、コフィ・キングストンに敗れ王座を失いました。その後はUS王座奪還を狙いながら、ジャック・スワガーと抗争し、サマースラムで勝利。翌日のRAWからはマーク・ヘンリーとタッグを結成し、クリス・ジェリコとビッグ・ショーの統一タッグ王座に挑戦するも敗北。2010年4月の追加ドラフトでSmackDown!へ移籍し、NXTシーズン2ではパーシー・ワトソンを指導するプロとして登場しました。

2010年12月2日、WWEとの契約解除が成立し退団しました。

新日本プロレス

2011年2月20日、新日本プロレスのThe New BeginningにリングネームMVPとして初参戦。5月には、新日本初のアメリカ大会を記念して新設されたIWGPインターコンチネンタル王座の初代王者決定トーナメントで優勝し、初代王者となりました。翌6月18日には、矢野通を相手に初防衛に成功するも、試合後に髪を切られるという屈辱を受けました。

7月18日には、矢野に勝利し、リベンジを果たしました。8月には、G1 CLIMAXに初出場。中邑真輔や後藤洋央紀に勝利するも、最終戦でカール・アンダーソンに敗れ、予選落ちとなりました。10月10日には、田中将斗に敗れ、インターコンチネンタル王座から陥落。12月4日には、田中とのリマッチに敗れました。

2012年1月4日、Wrestle Kingdom VIでシェルトン・ベンジャミンとタッグを組み、田中 & 裕二郎組と対戦し勝利。その後、G1 CLIMAXにも出場しましたが、タイトルマッチに挑戦することなく、2013年1月4日、Wrestle Kingdom出場後、新日本との契約を解除しました。

TNA

2014年1月30日、TNAを支援する投資家というギミックで登場し、リングネームをMVPとしました。しかし、7月18日、ルチャ・アンダーグラウンド（LU）との契約期間中にショーン・ヘルナンデスをTNAに出場させた問題の責任を取り、TNAを退団しました（事実上の解雇）。

ルチャ・アンダーグラウンド

2016年4月、ルチャ・アンダーグラウンドと契約しましたが、同月にLUでのキャラクターの年齢をポッドキャストで暴露してしまい、解雇されました。

WWE

2020年よりWWEに復帰。1月22日に行われたロイヤルランブル2020にサプライズ出場。5月11日放送のRAWでボビー・ラシュリーとユニット「ザ・ハート・ビジネス」（The Hurt Business）を結成し、後にシェルトン・ベンジャミン、セドリック・アレキサンダーをメンバーに加え活動しました。

得意技

フィニッシュ・ホールド
ドライブ・バイ・キック
プレイメーカー（オーバードライブ）
TTB(Take To The Bank)
オヤスミ
イリバーシブル・クライシス
プレイ・オブ・ザ・デイ（305）
その他得意技
ジャーマンスープレックス
スープレックス
スーパープレックス
フィッシャーマンズ・スープレックス
フロント・スープレックス
フラップジャック
エルボー
バックハンド・チョップ
フェイスバスター・ニー・スマッシュ
ファイヤーマンズキャリー・ドロップ
ボーリン・エルボー
シットアウト・サイドパワースラム

入場曲

I'm Comin' (Silkk The Shocker)
VIP We Ballin

タイトル歴

WWE
US王座 : 2回
WWEタッグ王座 : 1回（w / マット・ハーディー）
新日本プロレス
IWGPインターコンチネンタル王座 : 1回（初代）
初代IWGPインターコンチネンタル王座決定トーナメント 優勝 : 1回（2011年）
CCW
CCWヘビー級王座 : 1回
FOW
FOWタッグ王座 : 1回（w / パニッシャー）
XWA
XWAヘビー級王座 : 1回
レスリング・オブザーバー・ニュースレターアワーズ
2007年 最も成長したレスラー
2008年 最も過小評価されているレスラー

備考

US王座とWWEタッグ王座を同時に保有していた時期がありました。
長期に渡ってUS王座を保持しているものの、「スマックダウンにUS王座に見合った対戦相手がいない」ためTVショーでの防衛戦はあまり行っていない時期がありました。
MVPと305（出身地・マイアミの市外局番）の三文字の金属ネックレスを首にかけています。
上記の経歴の通り、青年期は不良で逮捕歴はあったものの、ドラッグなどの違法薬物に手を出すことは無かった。
クリス・ベノワの影響でWWE在籍時から日本のプロレス界に造詣を持っていた。
* 来日中に東日本大震災を都内で体感している。

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