Macintosh Quadra

Macintosh Quadra (マッキントッシュ クアドラ)

Macintosh Quadraは、Apple社がかつて販売していたパーソナルコンピュータMacintoshのシリーズ名、またはその機種を指します。Motorola（モトローラ）の68000系CPUを搭載した、通称「68k Mac」シリーズにおける最上位機種として位置づけられていました。一般的には、Macintoshを省略して単に「Quadra」と呼ばれることが多いです。

概要

1991年10月にQuadra 700とQuadra 900が発表され、販売が開始されました。1994年にPower Macintoshシリーズが登場するまで、Macintoshシリーズの最高峰として君臨しました。

Quadraは、CPUに68040を初めて搭載したMacintoshであり、その名もラテン語で「4」を意味する"quad"に由来します。それまでのMacintoshシリーズで採用されていた68030 CPUと比較して、最大で3倍もの性能向上を実現し、当時のMacintosh史上最大のパフォーマンスアップと謳われました。この性能に対する自信と誇りが、製品名にも反映されています。

Quadra 900および950の価格は、その最上位機種としての性質から100万円を超え、「自動車が買えるほど高い」と評されることもありました。

デザイン

Quadraシリーズでは、Macintoshシリーズとして初めて縦置きを前提とした筐体が採用されました。Quadra 700の筐体はMacintosh IIcxの筐体と類似していますが、Appleのロゴマークや機種名の表記が縦向きにデザインされている点が異なります。Quadra 900と950の筐体は、縦長の大型で、一般に「タワー型」と呼ばれるフロアスタンド（床置き）タイプであり、これもMacintoshシリーズでは初の試みでした。

本体デザインは、Macintosh SEなどのデザインで知られるフロッグデザインのスノーホワイト路線を踏襲し、Apple社内のデザインチームが担当しました。色は全機種で白が採用され、排熱口を兼ねた細長いスリット状の模様が刻まれています。このスリットが、大型ボディの無骨なイメージを和らげ、インテリア性の高い外観を実現しています。

アップグレード

Appleは1994年にPower Macintosh Upgrade Cardを発売し、Quadraの040 PDSスロットに装着することでPowerPC 601を利用できるようになりました。このアップグレードには、漢字Talk 7.5以降のOSが必須でした。

年表

以下にQuadraシリーズの主な機種を発売年順に示します。括弧内の表記はCPUのクロック周波数です。CPUはすべて68040を採用しています。

1991年
Quadra 700 (25MHz)
Quadra 900 (25MHz)
1992年
Quadra 950 (33MHz)
1993年
Quadra 605 (25MHz) - 日本ではほぼ同じスペックのモデルがMacintosh LC 475として登場
Quadra 610 (25MHz)
Quadra 650 (33MHz)
Quadra 660AV (25MHz)
Quadra 800 (33MHz)
Quadra 840AV (40MHz)
1994年
Quadra 630 (33MHz) - 日本ではほぼ同じスペックのモデルがMacintosh LC 630およびPerforma 630として登場

関連項目

Apple
MC68040
* Macintosh

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