Mk 13 (ミサイル発射機)

Mk 13 GMLS（Guided Missile Launching System）

Mk 13 GMLSは、アメリカ合衆国が開発したミサイル発射機システムであり、その主な使命は艦対空および艦対艦ミサイルの発射です。このシステムは、特にRIM-24ターターやRIM-66スタンダード（SM-1/2MR）といった中距離艦対空ミサイル、さらにはハープーン艦対艦ミサイルを使用するための設備を整えています。

概要

Mk 13 GMLSは、当初はターター・システムの重要なサブシステムとして利用され、このシステムはアメリカ海軍の新鋭艦に数多く搭載されてきました。しかし、搭載艦の退役に伴い、Mk 13 GMLSそのものは徐々に現役から退いているものの、過去に搭載された艦の輸出により、海外での使用は増加しています。日本の海上自衛隊においては、ミサイル護衛艦の艦対空発射機として、「あまつかぜ」以降のたちかぜ型およびはたかぜ型護衛艦に導入されていましたが、現在はこれらの艦は退役し、現役のミサイル護衛艦はMk 41 VLSを搭載した艦種に移行しています。

システム構成

Mk 13 GMLSは大きく分けて3つの主要要素、即ち発射機、弾薬庫、操作装置から成り立っています。発射機は単装で構成されており、初期のMk 11 GMLSやMk 10 GMLSと比較しても、旋回、俯仰、再装填の能力が向上しており、発射スピードも改善されています。具体的には、初めの弾の発射までの時間は7.4秒、初弾発射後次弾の発射には8.1秒かかります。また、Mod 4以降のバージョンではハープーン艦対艦ミサイルの発射も可能になりました。

弾薬庫では、ミサイルが二重の輪状に配置され、Mk 13では最大で40発のミサイルを収納でき、Mk 22という小型化されたバージョンでは16発のミサイルを収納します。ここからミサイルはホイストによって発射機へ供給され、発射セットアップが完了します。操作装置は、発射機の操作や動力配分、動作確認を行うための重要な部分で、3つのパネル（EP1、EP2、EP3）により構成されています。

バージョンと派生型

Mk 13は当初のターター・システムのMk 11 GMLSの後継として、チャールズ・F・アダムズ級ミサイル駆逐艦に搭載され始めました。初期のバージョンであるMod 0からMod 3までは、RIM-24やRIM-66といった中距離艦対空ミサイルのみの運用を行っていましたが、Mod 4からはハープーン艦対艦ミサイルの使用も可能となりました。オリバー・ハザード・ペリー級の艦では、アスロック対潜ミサイルの運用も検討されましたが、最終的には実行されませんでした。

さらに、このMk 13を基盤にした小型・軽量タイプのMk 22も開発され、こちらは艦対空能力のみを持つという特徴があります。弾薬庫の容量は16発に限られ、搭載艦はブルック級とバレアレス級のフリゲートに限られました。

現在の状況

Mk 13 GMLSは、搭載艦の退役に伴い、アメリカ海軍では徐々にその使用が減少していますが、世界各国の海軍においては、まだ利用され続けていることが特徴です。特に外国に売却された艦では、今後も運用が続けられる可能性が高く、ミサイル発射システムとしての役割からはなかなか離れられない存在と言えるでしょう。

このように、Mk 13 GMLSは海軍における重要なミサイル発射システムとしての役割を果たし続けており、非常に歴史的な背景を持っているシステムです。

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