Music PORTER

Music PORTER（ミュージックポーター）

Music PORTERは、三菱電機が開発した携帯電話端末で、NTTドコモの第二世代携帯電話（mova）に属するモデルです。この製品は2004年にリリースされ、その特徴的なブランド名は「With Music」を意味する型番の末尾WMから来ています。これにより、過去のSony製端末SO502iWMと同様に音楽機能に特化したことが際立っています。

製品のデザインと仕様

Music PORTERは、携帯音楽プレーヤーとしての利用を意識したデザインが施されており、折りたたみ式の形状を持っています。その形状は任天堂の携帯ゲーム機であるゲームボーイアドバンスSPに似ており、携帯電話としては非常に独特な正方形に近い構造です。カラーバリエーションはホワイト、ブラック、レッドの三色があり、ユーザーの好みに応じて選ぶことができます。

この端末にはFMラジオチューナーが内蔵されているほか、メモリースティック Duoに保存された音楽ファイルを再生する機能も搭載されています。側面にはmini-B型のUSB端子があり、USBケーブルを利用してパソコンと接続することで、付属のジャストシステム製メディアプレーヤー「BeatJam」を介して音楽データを転送できます。音楽再生時間は、楽曲ファイルの場合6時間、FMラジオの利用時には24時間と、いずれも長時間の使用が可能です。

また、製品にはマイク付きのリモコンや64MBのマジックゲート・メモリースティック Duoが付属しており、特にCrystal Kayが歌う「Kiss Music PORTER version」が収録されています。CMではCrystal Kayがアカペラで「Kiss」を披露し、この製品の魅力の一部となりました。なお、メモリースティック PRO Duoには対応しておらず、134MBを超える容量は事実上利用できません。

ディスプレイは1.8インチのTFT液晶を搭載しており、側面には操作ボタンが配置されています。これにより、端末を折りたたんだ状態でも音楽プレーヤー機能を容易に利用できるよう工夫されています。さらに、ATOKが搭載されており、AI推測変換や絵文字の連続入力が可能です。また、着信メロディは32和音に対応しているため、ユーザーはカスタマイズが楽しめます。

歴史と市場の変遷

Music PORTERは三菱電機製の最後のmova（PDC）端末であり、次作からはSymbian OSが採用されたため、自社OSが搭載された最終モデルとなります。2004年10月4日に発表され、同年10月14日に電気通信端末機器審査協会（JATE）による審査を通過し、認定番号A04-0525001が与えられました。そして、2004年12月10日に発売が開始され、その人気を博しました。しかし、2012年3月31日にはmovaサービスが終了し、このモデルの利用はそこで終止を迎えました。

このように、Music PORTERは音楽機能に特化したユニークな携帯電話として位置づけられ、そのデザインや機能が当時のユーザーのニーズに応えた製品として記憶されています。

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