NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ

NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ：世界を目指した日本のロードレースチーム

NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネは、日本の道路舗装大手であるNIPPO（ニッポ）がメインスポンサーを務めた、かつて存在したUCIプロコンチネンタルチームです。2019年シーズンをもって解散しましたが、日本人選手の育成と国際的な舞台での活躍を目指し、長年にわたり活動を続けてきました。

チームの歴史

チームは1985年に「日本鋪道レーシングチーム」として創設され、日本のロードレース界を牽引する存在として知られていました。1990年代には早くからヨーロッパに拠点を設け、海外研修制度を導入するなど、世界を見据えた活動を展開。

2002年にはジュラスイスとの合併を経てプロチームとなり、2003年には日本初のプロロードレースチームとしてUCIに登録されました。その後、チームNIPPOへの名称変更、コンチネンタルチームとしての活動を経て、2015年からはイタリア登録のUCIプロフェッショナルコンチネンタルチームとして、ヨーロッパを拠点に世界各地のレースに参戦しました。

チーム体制の変遷

チームは時代とともに様々なチーム名で活動してきました。

1985-1998: 日本鋪道レーシングチーム
2002-2003: 日本鋪道・ジュラスイス
2011: ダンジェロ＆アンテヌッチ・NIPPO
2013: チームNIPPO・デローザ
2014: ヴィーニ・ファンティーニ・NIPPO
2015-2017: NIPPO・ヴィーニファンティーニ
2018: NIPPO・ヴィーニファンティーニ・エウローパオヴィーニ
2019: NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ

2019年：ジロ・デ・イタリアでの勝利と解散

チームは2019年、イタリアのプラスチック加工会社ファイザネを新たなスポンサーに迎え、「NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ」として活動。3年ぶりの出場となったジロ・デ・イタリアでは、ダミアーノ・チーマが第18ステージで劇的な逃げ切り勝利を達成し、チームにグランツール初勝利をもたらしました。また、初山翔選手が敢闘賞にあたるフーガ賞を獲得するなど、記憶に残る活躍を見せました。

しかし、その直後の2019年7月、チームは解散を発表。長年の活動に幕を下ろしました。

主な所属選手

NIPPO・ヴィーニファンティーニには、数多くの国内外の選手が所属し、チームの発展に貢献しました。

ダミアーノ・クネゴ
エドワード・グロス
ジュリアン・アレドンド
内間康平
窪木一茂
宮澤崇史

チームを支えたスタッフ

チームの運営を支えたのは、監督、コーチ、メカニックなど、様々な役割を担うスタッフたちでした。大門宏監督は長年にわたりチームを率い、福島晋一氏も監督としてチームに貢献。選手育成とチーム強化に尽力しました。

NIPPO・ヴィーニファンティーニの功績

NIPPO・ヴィーニファンティーニは、日本人選手の育成と国際レースでの活躍を通じて、日本のロードレース界に大きな足跡を残しました。チームの解散は惜しまれますが、その功績は今後も語り継がれるでしょう。

チームを支援したNIPPOの貢献も忘れてはなりません。日本の建設会社が、これほど長期間にわたり海外のプロサイクルチームを支援した例は稀であり、その意義は大きいと言えます。

NIPPO・ヴィーニファンティーニは、日本のロードレース界にとって、特別な存在でした。

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