NM850iG

FOMA NM850iG：ノキアが手がけたドコモの国際派端末

FOMA NM850iGは、ノキアが開発し、NTTドコモから発売された第三世代携帯電話（FOMA）端末です。この機種は、海外で発売されていたNokia 6630をベースに、日本語化とドコモ向けのカスタマイズが施されました。

国際ローミング対応

NTTドコモのFOMAネットワーク（W-CDMA方式）に対応しており、国際ローミングサービス「WORLD WING」にも対応しています。W-CDMA、GSM、GPRSの各通信方式をサポートし、海外でも音声通話、テレビ電話、iモード、ショートメッセージサービスが利用可能です。海外では、NTTドコモが契約した現地のキャリアネットワークを利用してローミングを行います。

オーディオ機能

デジタルオーディオプレーヤーは、AACに加えてMP3形式の再生にも対応。端末にインストールされているRealPlayerで再生が可能です。

独自性と制約

Nokia 6630をベースとしていますが、ドコモは両者の間に多くの相違点があるとしており、単純なベースモデルとは見なしていません。発売当初の端末価格は、同シリーズの他の機種よりも安価でした。

SIMカードを採用していますが、SIMロックがかけられており、他のキャリアのSIMカードは使用できません。しかし、後にSIMロック解除の方法が発見され、他のキャリアのSIMカードでの利用が可能となり、オークションでの価格が高騰する要因となりました。

オペレーティングシステム（OS）にはSymbian OSが採用され、ユーザーインターフェースは、ドコモ端末で一般的なMOAPではなく、ノキア製端末で広く使用されているS60が搭載されています。ただし、ネイティブアプリケーションのインストールは制限されています。

iモードとiアプリ

iモードやiアプリもサポートしていますが、iアプリの機能はDoJa 1.55e（503iシリーズ相当）と、比較的低いレベルに制限されています。

デザインと互換性

キーパッドなど本体前面の形状は、一部702NKやスタンダードバージョンとは異なりますが、カバーやキーパッドは相互に交換可能です。Bluetooth機能は全ての機器に対応していますが、ACアダプタやイヤホン端子には互換性がありません。付属の専用ACアダプタ（ACアダプタ NM01）を使用する必要があります。

周辺機器と販売状況

付属のヘッドホンマイクやUSBケーブルは「試供品扱い」のため、オプションとしては販売されていません。そのため、ノキアストアやオンラインショップが閉鎖された後は、Vodafone 702NK用のオプションで代用するか、並行輸入業者から購入する必要がありました。ただし、「ACアダプタ NM01」「電池パック NM01」「リアカバー NM01」は、2009年以降もドコモショップやオンラインショップで購入可能でした。

使用禁止措置

2005年の技術基準改正に伴い、2015年11月30日をもって、FOMA NM850iGは技適失効となり、日本国内での使用が禁止されました。

不具合と歴史

2007年8月14日には、バッテリーの不具合により一時販売が停止され、良品との交換が行われました。この端末は2006年3月17日に発売され、2015年11月30日をもって使用禁止となりました。

関連機種

以下はFOMA NM850iGに関連する機種です。

NM705i
NM706i
N900iG
Nokia 6630
* Vodafone 702NK

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