NM705i

FOMA NM705i の詳細解説

FOMA NM705i は、NTTドコモから発売されたノキア製の第三世代携帯電話（FOMA）端末です。海外で販売されていたNokia 6120 classicをベースに、日本語対応やNTTドコモのサービスに対応するようにカスタマイズされています。

概要

この端末は、ドコモ独自のサービスであるiモードやiアプリに対応していますが、その代わりに、搭載OSであるSymbian Series 60のWebkitベースのフルブラウザやMMS、E-mailクライアント（POP3、IMAP）は利用できません。また、高速データ通信規格であるHSDPAにも対応していません。ドコモ端末の中では、低価格帯のエントリーモデルという位置づけで、他の705iシリーズと比較しても最安値で販売されました。

そのため、カメラ機能は接写機能がないなど簡素な仕様で、フルブラウザも搭載されていません。また、おサイフケータイ、ワンセグ、赤外線通信、QRコードリーダーといった、いわゆるガラケーの主要機能も搭載されていません。

特徴

一方で、コンパクトなサイズ、パソコンで利用される動画や音声ファイルへの幅広い対応（PCから転送した音楽ファイルの着信音設定も可能）、Bluetooth、FMラジオの搭載、Outlookとのスケジュール同期、GSMローミング（クワッドバンド対応）、UMTS850MHzローミングなど、多くの長所も持っています。

電源端子はドコモのFOMA端子ではなく、ノキア標準のものが採用されています。また、外部データ通信端子としてミニUSBポートが搭載されています。イヤホン端子は2.5mmと、日本の一般的な3.5mmとは異なる規格です。

同梱品

ACアダプタ（NM02）、USBケーブル、イヤホンが同梱されています。ただし、USBケーブルとイヤホンはドコモでは試供品扱いのため別売りされていません。

その他仕様

ストラップの着脱には裏蓋を外す必要があり、バッテリーの持ちは利用状況に左右されます。バッテリーは海外でも入手可能で、社外製ボディも安価で交換できます。

充電時にはフラッシュが常時点灯しますが、これは故障ではなく、充電インジケータがないため、キャリアの要望で追加された日本向けの仕様です。同様の仕様はVodafone 802SEなどでも見られました。

スペック

対応ネットワーク: 3GのW-CDMA850MHz帯（北米など）、2GのGSM（クワッドバンド）に対応。
ローミング: 世界170の国や地域で利用可能な「WORLD WING」に対応。
日本語入力: ATOKによる予測入力、英語はT9入力に対応。
音声認識: 電話の発信だけでなく、組み込み機能の起動も可能。
USB接続: PCとの接続モードは3つ（PC Suite、データ転送、メディアプレーヤー）から選択可能。メディアプレーヤーモードではmicroSD/SDHCカードが必要。
PC連携: Nokia PC Suite（日本語版）が同梱。USBまたはBluetoothでPCと接続可能。Outlookとの同期もサポート。
音声入出力: 2.5mm 4極プラグを採用。Nokia AV Adapter AD-52を使用することで、3.5mm規格の機器が利用可能。
Bluetooth: ワイヤレスで通話や音楽を楽しめる（ただし、FMラジオは聴けない）。
プラットフォーム: S60プラットフォームを採用しているが、S60ネイティブアプリはインストール不可。
通信機能: iモードとiモードメールに対応。iアプリはほぼ利用不可。MMSクライアント、E-mailクライアント、ウェブブラウザは削除。HSDPA通信機能も削除。
バッテリー: ノキア製「BL-5B」にドコモがシールを貼った「電池パック NM02」を使用。
ACアダプタ: ノキア製「AC-4J」をドコモが「ACアダプタ NM02」と呼称（シール貼り付け）。ソフトバンクモバイルの「NKCAA1」も同等品（シールなし）。
その他: 2022年11月30日以降、技適の問題により国内での利用は違法となる。

プリインストールアプリ

世界時計
英和・和英辞書
単位変換ツール
電卓（計算過程が表示される）

歴史

2007年8月10日: TELEFICATION B.V. 通過
2007年11月1日: 開発発表
2008年1月10日: 報道関係者向け内覧会で実機公開
2008年3月19日: 発売開始

関連情報

関連項目: NM850iG, NM706i
外部リンク:
FOMA NM705iのサポートページ - NOKIA
* FOMA NM705i サポート情報 - NTTドコモ

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