NSV重機関銃

NSV重機関銃について

NSV重機関銃（ロシア語: НСВ Никитина-Соколова-Волкова）は、第二次世界大戦後の1969年にソビエト連邦で開発された重機関銃です。この銃は、口径12.7mmを持ち、その設計はDShK38重機関銃の後継として開始されました。開発者はG・I・ニキーチン、Y・S・ソコロフ、V・I・ヴォルコフの3人で、彼らの名前の頭文字を取ってNSVと名付けられました。

開発の背景

NSV重機関銃の基本設計は、1950年代から1960年代にかけて試作された汎用機関銃に基づいています。この時期には、競合となるPK機関銃に対抗するためのデザインが試みられましたが、最終的にはPKに敗北した経緯があります。しかし、NSVはその後改良を重ね、1971年にはソビエト連邦軍に制式採用されることになります。

特徴と運用

NSVの本体は約23kgと、従来のDShK38の34kgに対し大幅に軽量化されています。この軽量化により、歩兵部隊においても実用的に運用できるようになりました。さらに、41kgの三脚架を使用して地上からの射撃が可能であり、対空砲架としてZPU-1に搭載することや、主力戦車のT-64、T-72、T-80の砲塔に装備することもできます。

制作と後継機

NSVの生産拠点はカザフ・ソビエト社会主義共和国にあり、1991年のソビエト連邦の崩壊によりカザフスタンが独立したことで、ロシア連邦軍は保守部品の調達が難しくなりました。その上、ロシア軍はより高い命中精度を求め、1998年にはKord重機関銃を制式採用しました。このため、NSVは徐々に退役する見込みです。

国際的な生産

NSVはソビエト連邦以外でも多くの国でライセンス生産が行われています。具体的には、ブルガリア、インド、ポーランド、ユーゴスラビア（現在のセルビア）、そしてフィンランドが含まれます。これにより、NSVの運用は国際的にも広がっており、他国の軍隊でも利用されています。

派生型

NSVにはいくつかの派生型が存在します。続いて、その代表的なものを紹介します。

NSVT

この派生型は車載型であり、戦車の砲塔上に搭載されることを目的としています。また、セルビアのザスタバ・アームズでは、ツァスタバ M87としてライセンス生産され、主にM-84戦車に装備されています。

WKM-B

ポーランドで開発されたWKM-Bは、NATO加盟国で広く使用されている重機関銃の一つで、ブローニングM2と同じ12.7x99mm弾（.50BMG）を使用しています。

まとめ

NSV重機関銃は、その軽量化されたデザインと多様な運用方法により、冷戦時代を通じて重要な火力支援を提供してきました。新型機関銃が登場する中でも、その信頼性と性能から多くの軍で使用されています。

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